米エクスペディアCEOが退任、経営幹部の方針相違で、業績不振でマネジメント刷新

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エクスペディア・グループは2019年12月4日、最高経営責任者(CEO)のマーク・オカストローム氏と、最高財務責任者(CFO)のアラン・ピケリル氏が退任する人事を発表した。

後任が決定するまでの間は、バリー・ディラー取締役会長とピーター・カーン副会長兼ディレクターが日々のマネジメント業務を含め、経営の指揮をとる。長期的な戦略方針は、取締役会で決定する。

ディラー会長は「結論から言うと、経営戦略について、経営幹部の間で意見の相違があった」と今回の人事の理由を説明している。同会長によると、「エクスペディアでは2019年初め、グループ内の各事業ブランドやテクノロジーをより効率的に再編するべく、動き出していた。このコンセプト自体は悪くなかったが、実際には事業における損失が拡大。第3四半期決算は残念な結果となり、来期以降の展望もさえない。今後の成長ビジョンについても、経営幹部の間で意見が分かれ、マネジメントの刷新が必要となった」。

オカストローム氏はエクスペディアにこれまで13年在籍してきたが、今回のCEO退任と同時に、同社の取締役の職も離れた。これとは対照的に、オカストローム氏の前任者、ダラ・コスロウシャヒ前CEOは、2017年にウーバー経営トップに就任した後も、エクスペディア・グループ取締役に在籍している。

2019年11月に発表したエクスペディア・グループの第3四半期決算は、純利益が前年同期比22%減、調整後EBITDAは横ばい。四半期決算の発表後、同社の株価は3割近く下落し、同社にとって1日当たりの下げ幅では過去最大となった。

業績不振の大きな要因は、SEO効率の悪化としている。同社によると、グーグルが検索結果表示のアルゴリズムを見直したことが、OTAには不利な状況となっており、これを補完するため、目下、流通チャネルの多角化に乗り出している。だが有料の広告など、よりコストのかさむチャネルに集客を頼らざるを得なくなり、これがマーケティング経費の増大につながっているという。

米ニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」によると、エクスペディア・グループが先ごろ、米ラスベガスで開催した顧客向けイベントでは、オカストローム氏が今後の戦略目標について「利用者にとって不便な部分を取り除き、事業別に区切られた“サイロ”の弊害をなくすこと」と話していた。

この方針については、ディラー会長も「変更はない」としており、社内向けに出した声明で「マークが解決に着手していた課題、社内のサイロをなくし、エクスペディア全体を利することにフォーカスするべきという方針は、当社の未来にとって非常に大切なことだ。社員のみなさんには、自分が現在担当している職務に関係なく、会社全体をより良くすることを考えてほしい。業務プロセスをシンプルにし、協力体制を強化し、みんなで成功を勝ち取ろう」と呼びかけた。

エクスペディアの将来に対する自信と、長期的なコミットメントの証として、ディラー会長は自らもエクスペディア株を買い増しする意向を明らかにしている。

そのほかの人事では、最高戦略責任者(CSO)のエリック・ハート氏がCFO代行に就任。またエクスペディア・パートナー・ソリューションズとエジェンシアを統合した新組織、「エクスペディア・ビジネス・サービス」を開設し、同部門の責任者には、エクスペディア・パートナー・ソリューションズ社長のアリアネ・ゴリン氏が就任した。

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