民泊エアビー、上場後初の決算発表、2020年度の売上高減少は3割にとどまる、テレワーク利用など新たな需要も

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エアービーアンドビーは、米国での上場後、初めてとなる2020年度第4四半期(2020年10月~12月)および2020年度(2020年1月~12月)の決算を発表した。同社は、昨年12月に新規公開株を売り出し(IPO)を実施。初値が公開価格の2倍を超え、時価総額は一時10兆円に達したものの、2020年度を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な旅行制限やロックダウンの影響を大きく受けた。

発表された決算によると、第4四半期の宿泊とエクスペリエンス(タビナカ体験事業)を合わせた総予約数は前年同期比39%減の4630万件で、総予約額は同31%減の590億ドル(約6兆2800億円)となった。売上高は同22%減の8億5900万ドル(約914億円)。純損失(GAAP)は、前年同期の3億5200万ドル(約374億円)から39億ドルに(約4150億円)拡大した。

2020年度通期では、総予約数は前年同期比41%減の1億9320万件で、総予約額は同37%減の2390億ドル(約25兆4400億円)となった。売上高は、当初2019年度比の半分以下になると予想していたものの、最終的には前年度比30%減にとどめ、34億ドル(約3620億円)を計上。純損失(GAAP)は前年度の6億7400万ドル(約717億円)から46億ドル(約4900億円)に赤字幅が拡大した。

2021年は原点回帰、ホスト拡充に注力、新マーケティングも展開

同社ブライアン・チェスキーCEOは決算発表会見で、「旅行需要は必ず戻ってくる。旅行はヒューマンコネクション。旅行者は旅行で家族や友人と意味のある時間を過ごしたがっている。旅行規制が解除され、入国条件が緩和されれば、2021年には大きなリバウンドが起こる」とコメント。そのうえで、パンデミックは原点回帰のきっかけになったとして、2021年の強化ポイントを説明した。

まず、ホスト拡充に注力する。新たに5年間のマーケティングキャンペーン「Made possible by Hosts」をグローバルに展開。ゲストに対して、エアビーのユニークさ、ホストになる利点を伝えることで、ホストになってもらう取り組みを強化する。また、登録手続きなどを簡素化し、ホストを増やすとことで、質の高いリスティングを確保していく考え。

同時に、キャンペーンを通じたブランディングにより認知度の向上も図っていく考えだ。チェスキーCEOは「米国、カナダ、オーストラリア、英国など英語圏でのエアビーの知名度は高いが、新興国と呼ばれるマーケットでは認知度はまだ低い」と認めたうえで、日本、メキシコ、ブラジルなどの非英語圏での取り組みを成功例として挙げながら、「新興国で認知度を上げることができれば、今後海外旅行が再開された時に、そのマーケットでエアビーが大きく成長する可能性がある」と期待感を示した。

さらに、ゲストの体験を向上させるために、検索機能を改善し、より柔軟な旅行パータンに合わせたサービスを展開していく。エアビーでは、新たに「Flexible Dates」機能を立ち上げ、旅行日などでより柔軟な選択を可能にした。

チェスキーCEOは、「パンデミックの中で、エアビーの利用方法は変わってきた」と指摘。テレワークなどの需要、長期滞在、車での近場旅行など新たな旅行形態が顕在化しており、「この傾向はパンデミック後も続くだろう」と見通した。

このほか、チェスキーCEOは、質問に答える形で東京オリンピックについても言及。「今夏のオリンピックは、もし開催されれば、海外旅行再開のいい機会になるかもしれない」との考えを示す一方で、需要の回復については、現時点では不確定要素が多いため、「予測はできない」との発言にとどめた。

※ドル円換算は1ドル106円でトラベルボイス編集部が算出

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