Googleトラベル、ホテル掲載の無料開放で直販化は進むか? 「価格競争の激化」など起きる変化をアナリストが予測 【外電】

グーグルは、世界中のホテルおよび旅行会社向けに、「Googleトラベル(google.com/travel)」上でのホテル予約のリンク掲載を無料で提供すると発表した。広告出稿者(入札者)が、オーガニックリスト(無料掲載のリスト)よりも上位に掲載されることは変わらないが、あらゆるホテルや旅行会社が、リアルタイム価格や空室状況を検索結果に配信することが可能になることから、ホテルのマーケティング戦略に大きな変化をもたらすと見られている。

米旅行業界メディアのフォーカスワイヤが、デジタルマーケティングのアナリストでGoogleホテル広告のインテグレーションパートナー「Mirai」のCEOでもあるパブロ・デルガド氏に、無料ホテル予約リンクで今後予想される変化について聞いた。

インテグレーションパートナーとは、旅行会社や宿泊施設に対して、ホテル広告向け商品データの生成、ホテル広告への配信、運用まで一元的なサービスを提供するプロバイダー。このサービスを展開するためにはGoogleの認定が必要になる。

デルガド氏は、今回発表されたホテルの無料掲載開始によって、最も影響を受けるのはオンライン旅行会社(OTA)なるとの見解を示す。ただし、「エクスペディアやブッキング・ドットコムなどは、依然として強力な入札者として、上位に露出され、十分な資金があるホテルチェーンも直販広告で上位に配置される可能性がある」とした。

オーガニックリストの掲載順位はどうなるか?従来のSEO対策でグーグルのルールに従えば、すべてのプレイヤーが同じ条件となってしまう。しかし、デルガド氏は、より競争力の高い価格を出し、コンバージョンレート(成約率)やCTR(クリック率)が高いホテルが上位にリストされると見る。「高いコンバージョンレートはユーザーの満足度の高さを表し、グーグルはそれを望んでいる」からだ。

そのうえで、デルガド氏は、グーグルは常にユーザーを意識しているため、今回の掲載費無料でリンクを開放する方針は、サプライヤーにとってさらに激しい競争を促すものになるとの見解を示した。

無料掲載によって、ホテルの直販リンクも増えると予想される。しかし、「ホテルサイドは直販のメリットを強調するが、ユーザーからすると、直販だから直販を選ぶという理由はない。やはり、ユーザーにとっては必要な情報、最適な価格、安心感が重要になる」とみる。

このほか、デルガド氏は、メタサーチの今後についても言及。ここ数年メタサーチプレイヤーも変化してきたが、グーグルが最後に加わったことで、勢力地図が変わり、グーグルが独占的な立場を占めるようになり、「この傾向は、欧米で加速するだろう」との見通しを示した。

特にパンデミックによって、ユーザーのデスクトップPCからモバイルの移行が加速しているなかで、ユーザーがモバイルから「グーグルで直接検索する機会が増えるのではないか」と予測した。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:VIDEO: What Google's overhaul of hotel booking ads really means

著者: ケビン・メイ

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