民泊エアビーがホテル予約にも本腰か、ベータ版で新方法を試験中、ライバルOTAとの直接対決へ 【外電】

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エアビーアンドビー(Airbnb)のブライアン・チェスキーCEOは、柔軟な予約の重要性を繰り返し指摘している。第2四半期の決算発表でも「柔軟性はこれからの旅行に、ずっと求められるものだ」と話している。2021年5月、エアビーは、ゲストに柔軟性を提供するオプションを追加。旅行日、旅先、宿泊施設の種類を決めずに検索できる機能を加えた。

今後の、エアビーのホテル戦略について考察した。

エアビーは現在、チャネルマネージャーや流通プラットフォームが複数の料金プランを掲載できる新しいAPI接続による表示方法を同社のリスティングでも試験しているところだ。これは、旅行者とホストにとって柔軟性を与えることになり、従来のホテルにとっても魅力的なものになる。言い換えれば、ブッキング・ドットコムなどのOTAとの直接対決に挑むことにもなる。

ホテルや賃貸物件向けにチャネルマネージャーや予約エンジンを提供するイタリアの「ルーム・クラウド (RoomCloud)」は今年4月、エアビーと料金プランについての検討に入り、7月にはベータ版製品の開発を始めた。同社マーケティングマネージャーのシルビア・グアラノ氏によると、「エアビーが目指しているのは、ホテルに、その機能を提案することだ」と話す。

「ホテルやアパートメント向けの仕組みだが、ブッキング・ドットコムやエクスペディアなどのOTAが提示する料金プランに慣れているホテルにとっては、さらに魅力的なものになるばずだ。エアビーは、バケーションレンタルだけでなく、一般的なOTAとして、それを提案していくように思える」とグアラノ氏は続けた。

オーナーは数々の料金プランを設定することが可能。たとえば、宿泊のみ、宿泊と朝食などだ。グアラノ氏によると、エアビーは、返金可能な最低価格と返金不可の最低価格の2種類を最大限活用していくと考えられる。

宿泊施設がこの機能を簡単に導入できるように、ルーム・クラウドは、ブッキング・ドットコムで使われている料金プランと同じものをエアビーにも送り、最新の料金プランをリアルタイムで表示できるようにする考え。

グアラノ氏は「我々のサポートチームは現在、その実装に向けて取り組んでいるが、将来的には我々のクライアントが自身ですべてできるようにしていく」と明かす。

サンディエゴの「クラウド・ベッズ (Cloudbeds)」もベータ版製品の開発に参加している。

同社パートナーシップ担当副社長のセバスチャン・レティナー氏は「エアビーは、料金システムを実装する機能も含めて、流通の観点でその能力を拡張する必要に迫られている。API接続は、まさにそれに当たる」と話す。

レティナー氏によると、APIはホテルからのリクエストに応えるためには必要なもので、それによってエアビーは、宿泊施設が設定する料金により多くアクセスすることが可能になる。「エアビーは、宿泊施設のすべてに力を与えることを真剣に求めていると思う。それは、我々にとっても大きな話だ」と話す。

また、「エアビーは、できるだけ多くのバケーションレンタルを供給する点で今でも非常に優れているが、それだけでなく、その上にさらに積み増し、どのようなタイプの宿泊施設も販売する取り組みを進めている」と明かす。

一方、エアビーは、買収した当日予約システムの「ホテル・トゥナイト(Hotel tonight)」も強化。供給を増やし、マーケットマネージャーも新たに雇用している。チェスキーCEOは昨年5月に従業員向けに出した声明のなかで、「パンデミックの中、我々のコミュニティに対して直接的な支援にならない活動への投資を減らしていく必要がある」と述べており、ホテル・トゥナイトの強化は、それを裏付けているように見える。

ブッキング・ドットコムは、どこに向かう?

バケーションレンタル管理サービスを提供する「ホストフリー (Hostfully)」の共同設立者で社長のデビッド・ジャコビー氏は、「新しい料金プラン戦略は、エアビーがブッキング・ドットコムに追いつこうとする証。その考えは、ホストとゲストの手数料の変更したことからも伺える」と話す。

また、「ブッキング・ドットコムは、わずかに業界をリードしている。ホテルの在庫数も大きいが、複数の料金プランでも先を行っている。今回のエアビーの取り組みは、ブッキングのコピーだとは言いたくないが、その足跡を辿るものになる」と言う。

「Dエッジ・プロパティ・ソリューションズ (D-Edge Property Solutions)」も、新しい料金プラン・ソリューションの試験でエアビーと協業している。同社によると、エアビーはホテルの流通シェアの拡大を狙っている。「より精度の高い料金を提示することができれば、エアビーをさらに後押しすることになるだろう」と同社パートナーシップ担当責任者のレ・バーネット氏は話し、「一連の取り組みは、エアビーを他のOTAと同じ水準に引き上げることから、エアビーの魅力はますます向上する」と続けた。

レベニューマネージメント・ソリューションを提供する「IDeaS」の最高開発責任者クラウス・コールマイヤー氏は「パンデミックによって、消費者の目はこれまで以上に柔軟性の価値に注がれている。伝統的なホテルは20年間にわたって、返金可能あるいは返金不可の選択肢を提供し、この料金戦略によってコンバージョンを高めてきた。だから、今も存在する。実際のところ、消費者に複数の選択肢を示すと、全員ポジティブな反応を示す。消費者は、選択肢のなかで、自分に適したものを選びたいと思っている」と話す。

ルーム・クラウドのグアラノ氏は、「旅行者は今後、新しい料金ロジックを見つけることができるようになるだろう。特に現在のような不確実性の時代において、それは旅行への自信を高め、安心して予約することにつながる」と話す。

料金プランのベータ版試験について、エアビーの広報に尋ねてみると、「我々は、より簡単にホストが可能な製品を開発するために、常に新しい方法をテストしている。現在、それ以上提供できる情報はない」との回答しか返ってこなかった。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:AIRBNB REVIVES HOTEL STRATEGY, MOVES CLOSER TO RIVAL OTA MODEL

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