JTB、グループ16社に新入社員480名が入社、CO2ゼロ入社式、山北社長「世界を舞台に交流、心豊かな社会の実現に貢献を」

JTBグループは2024年4月1日、2024年度合同入社式を実施した。今年度はグループ16社に合計480名が入社。2023年度入社の370名を大きく上回った。会場では「CO2ゼロMICE」を導入。持続可能な社会に向けた新たな取り組みに加え、サプライズゲストでイメージキャラクターを務める俳優の松下奈緒さんも登場し、旅行需要が急回復するなかで熱気あふれる入社式となった。

コロナで自粛余儀なくされた新入社員へ

冒頭、代表取締役社長執行役員の山北栄二郎氏は、インバウンドが活況に沸くいま、JTBの創立は「外国からの良き客を迎える」ことが始まりであり、その後、チケットエージェント、パッケージ旅行の販売を中心としたトラベルカンパニーなどとさまざまなビジネスモデルを経ながら、現在の事業ドメインである「交流創造事業」へと変化してきた経緯を説明。

そして、まさにコロナ禍真っただ中で修学旅行の中止、外出の自粛を余儀なくされてきた世代である今年度の新入社員たちに対し、「事業ドメインの『交流創造事業』にもあるように、我々はもはや旅行会社という言い方はしていない。地球、グローバルを舞台に人々の交流、平和で心豊かな社会の実現に貢献する企業であり、それを常にかみしめながら体現する社員になってほしい」などと呼びかけた。

このほか、旅行業界のリーディングカンパニーとして、サステナビリティに対する社会的責任を果たすとともに、世界中の観光地で旅行者とゴミ拾いをするなど、トラベルならではのさまざまなアプローチができると言及。多様な個性が輝くグループへと進化するため、多様(Diversity)、公平性(Equity)、包括性( Inclusion )、心理的安全性(Belonging)のDEIBを推進する方針も示し、社員の自立をベースとしたキャリア開発支援にも積極的に取り組んでいくと話した。

入社式で最後に山北氏が言及したのは、2024年グループ全体方針である「未来から現在(いま)を創る」。「皆さんの10年後、20年後の未来、何が起こるかワクワクするものが多くあるだろう。そのためにJTBがどう変わっていくかを、現在から皆さんの力で考えていってほしい」と力を込めた。

新入社員に語りかける山北氏

「CO2ゼロMICE」入社式を導入

「CO2ゼロMICE」を導入し、会場で使用した電力を環境価値として購入することでCO2を排出しない再生可能エネルギーに置き換えた今回のJTB入社式。さらに、廃棄物ゼロのオリジナルモニュメント(フォトブース)を用意したほか、特大ホワイトキャンバスを設置し、新入社員それぞれ想いを自由に描くという演出もあり、会場は終始熱気に包まれた。

新入社員の決意表明では、グループ各社の代表がそれぞれの抱負を発表。需要が急増しているインバウンド事業を担うJTBグローバルマーケティング&トラベルの森西祐弥さんは「日本にはまだ世界に知られていない魅力があふれている。インバウンド業界をけん引する企業の一員として、持続可能な観光の実現に貢献するために尽力する」と意気込んだ。

山北氏は入社式で、テクノロジーの進化によってリアルとバーチャルの融合、デジタル化によって加速するトレンドへの対応も指摘した。グループ全体のDX・BPR(業務改革)を推進するJTBビジネストランスフォームの岩井春菜さんは、「先日まで大学生だった私が(入社式の)この場に立てることが誇らしい。私たちはDXを通じグループの事業基盤を支えるとともに、お客様と関わることが多いため、日々小さな学びを積み重ねていきたい」と表明した。

JTBの魚沼純平さんは「学生時代、百聞は一見にしかずとの信念のもと、さまざまな地域に出かけてきた」との思い出を語りつつ、「世界中の人に愛されるコンテンツを、地域と伴走しながら作り出していきたい」と、将来への夢を語った。

入社式には、JTBのCMイメージキャラクターを務める俳優の松下奈緒さんがサプライズ登場。歓声が沸き起こるなか、松下さんは「(CM撮影などを通じ)旅先の生の声を聞けたのは私にとって非常に大きな経験。志を持ってここに集まっている皆さんも、新しいスタートを切り、人生の旅を楽しんでほしい」などとエールを送った。

グループ16社に480名が入社

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