世界大手の旅行卸売り「ホテルベッズ」が日本で本格展開、海外・個人旅行でシェアNo.1目指す

世界的なホールセラー企業「ホテルベッズ グループ(Hotelbeds Group)」が日本で本格展開を開始する。ホテルベッズとは、世界120カ国4000社以上の旅行会社に宿泊、現地ツアー、チケット、トランスファー(送迎)、レンタカーなどを卸売するBoB企業。2014年の宿泊予約数は2250万泊、取扱額は23億ユーロを誇る。そんな同社が目指すのは、5年後に日本の海外旅行の個人旅行(FIT)BtoB流通シェアでトップとなることだ。

ホテルベッズは、先進的なITテクノロジーを強みに、2001年にスペインで創業。旅行会社に予約サイトを介して旅行商品を提供するだけでなく、予約機能を旅行会社のシステムに埋め込むことで利便性を高め、急成長してきた。そんな同社の日本での本格展開について、日本地区営業マネージャーの石橋寿夫氏に聞いた。

ホテルベッズが日本法人を開設したのは2009年6月で、ここまでは日本語対応の予約サイトやカスタマーサービスの体制を整えてきた。そして、営業担当者の拡充、予約サイトの完全日本語化、支払いの円建て精算が実現したことで本格展開の「準備が整った(石橋氏)」。2015年に目指すのは、前年比65%増の取扱いだ。

同社は、世界180カ国3600以上の都市で6万件以上の宿泊施設を取り扱い、豊富な在庫を現地ツアーやレンタカーなどの素材とともに競争力のある卸売価格で提供。これを武器に、過去6年で取扱額を倍増させ、1年間の平均成長率18%を誇っている。

石橋氏は、本社が日本市場に大きな期待を示していることを明かす。ヨーロッパ・北米で成功をおさめ、次に目指したアジアでは、インドネシアをはじめとした東南アジア諸国でローカライズに成功。残るは、中国、日本、インドが大きな市場。なかでも、日本はシェアを獲得すれば、将来的にアジアのトップ3に入るとみているという。

石橋氏は、同社の強みを「スケール」「世界中に展開するパートナーシップ」「テクノロジー」と指摘する。「テクノロジー」が実現した特徴的な取組みの一例として、「1 HOUR FREE OF CHRGE」という仕組みがある。これは、ノンリファンダブル(返金不可)の客室手配を1時間に限って予約保留できるというもの。

予約後の検討時間としてシステム側で1時間だけ在庫を確保。宿泊施設側への連絡を保留し、旅行会社と旅行者の「決断」にリードタイムを確保した。また、航空券とのセット販売を条件にしたパッケージレートの仕入れも増やしており、これもオンラインサイトからリアルタイムで予約可能としている。

日本での展開は個人旅行(FIT)を主眼に、旅行会社やパートナー企業とシステムを統合(XMLの埋め込み)して接続していくビジネスがメインになるという。すでに、日本を代表する大手旅行会社やOTAなどと接続が実現しており、取扱いを伸ばしている。今後は、大手から中堅旅行会社、ツアー造成などを行う企業との連携で扱い件数の増加を目指す。

一方、石橋氏によると同社は「パートナーとして組める先とは、仮に一部競合する分野があっても柔軟に組んでもいい考え方をしている」。豊富な在庫を武器に、様々な可能性を追求しながらパートナー展開を模索する方針だ。


▼世界的な日本ブームでインバウンド事業も注力

日本の宿泊施設との契約件数を増やす

ホテルベッズは、日本法人として海外旅行の流通だけでなく、日本へのインバウンド市場にも注力する方針だ。これは、世界的な日本への観光ブームを背景にしたもの。外国人に販売する日本の宿泊施設との契約件数を増やしていくという。

現在、一部で大手旅行会社の在庫を活用して海外市場に販売することも行われているものの直接契約も増やしていく計画。こうした活動で必要な人材の採用も積極的に進めており、今後の展開に注目したい。

なお、ホテルベッズはドイツを拠点とする世界でも最大規模の旅行会社TUIグループ傘下のホールセール会社。TUIグループでは、オンライン旅行会社、航空会社、クルーズ会社、ホテルなど総合的な旅行関連サービスを展開しており、現在約180カ国・地域で220の事業会社を運営している。従業員数は約7万7000名だ。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)





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