ホテルの価値を最大化するAXとは? SQUEEZE(スクイーズ)舘林CEOが語った取り組み、ホテルと地域をつなぐ仕組み(PR)

AIを活用したクラウド型宿泊管理システムの開発やスマートホテル運営など、宿泊業界で様々なDXを推進してきたSQUEEZE(スクイーズ)社。北海道日本ハムファイターズの新球場のグラウンドを一望するホテルと温泉サウナの企画・運営会社としても知られ、近年では地域との共創やまちづくりになど事業領域を拡大している。

そんな同社が次に見据えるのは、ホテル運営を基点に街の活性化を促すAX(AIトランスフォーメーション)だ。AXとは、AI活用で企業の業務プロセスやビジネスモデルを根本から変革すること。「テクノロジーとオペレーションの両輪で設計し、宿泊業界はもとより、観光産業そのものの構造を変えていくことが当社の使命」と話す代表取締役CEOの舘林真一氏が、同社のホテルソリューションの特徴からホテル開発の方向性、今後の展望を語った。

運営品質と収益を高める宿泊プラットフォーム

SQUEEZEは宿泊業界では珍しく、ホテル運営とホテル運営システム「suitebook」の開発・販売の2つの事業を同一の組織で手掛ける、ホスピタリティ企業だ。

クラウド型の宿泊管理基盤に、AIによる最適化と人のノウハウを掛け合わせたsuitebookを宿泊施設に提供する一方で、自社ブランドである「Minn(ミン)」を中心としたアパートメントホテルや次世代型エンタメ・スマートホテル「Theatel(シアテル)」、前述した球場内ホテルなど、多様な施設を全国40施設運営している(2025年12月時点)。実運営で蓄積した課題や知見がsuitebookの改善に即反映される“現場発想のプラットフォーム”であることが、同社の大きな特徴だ。

基盤となるsuitebookは、予約・在庫・清掃・会計・レベニュー・顧客管理を一元化し、自動チェックイン機(suitebook KIOSK)やスマートロック、POSともAPIで連携。日々の状況に応じてAIがスタッフ配置や清掃計画を最適化する。これにより、限られた人数でも運営の質を保ちながら、付帯収益や単価改善につながる施策を実行しやすくなる。実際に、一部の施設ではGOP(営業粗利益率)が70%超に達した例もある。

suitebook 画像イメージ舘林氏は「AIが担うべき部分は徹底して自動化し、人は“おもてなし”に集中できる時間を増やす。suitebookはその構造を実現するための経営インフラだ。従来のPMSの領域を超え、ホテル全体の最適化を支える“Profit Management System”として進化している」と語る。

suitebookはJR東日本グループの「ホテルB4T」シリーズや、霞ヶ関キャピタルグループの「FAV」ブランドなど複数施設で採用が進んでおり、ホスピタリティオペレーションズの「スマイルホテル」でも導入が広がっている。ミナシアが展開する「ホテルウイングインターナショナル」(「KOKO HOTELS」へ順次リブランド中)では全37施設でsuitebookが稼働し、業務標準化や教育負荷の軽減といった効果が現場レベルで確認されている。業態や規模の異なる施設でも共通した運用モデルを実現し、地域や事業者ごとに最適化された“次世代型のホテル運営モデル”として浸透しつつある。

suitebookでのブッキングカーブ表示画面イメージ。稼働予測や価格調整の機能についてもAIを活用し日々進化している

人手不足を構造で解決、ホテル運営を再設計

同社が重視しているのは、テクノロジーを前提にした“現場業務の再設計”だ。カンボジアには技術開発拠点と、24時間365日稼働するクラウドレセプションセンターを設置し、チェックインサポートや問い合わせ対応など、各施設で発生する定型業務を遠隔で一元化。これにより、オンサイトのスタッフは清掃品質の確認やゲスト対応など、現地でしかできない業務に集中できるようになる。

さらに、業務特性に応じて外部の専門人材を活用する選択肢も用意し、BPO(外部委託)と suitebookを組み合わせて、フロント・清掃・バックオフィスに関わる一連の業務をクラウドで管理できる仕組みを構築している。運営負荷の高い領域をシステムとクラウドセンターに寄せることで、施設規模を問わず安定したオペレーションが実現しやすくなる。

カンボジアのクラウドレセプションセンター舘林氏は「人手不足を現場の努力だけで乗り切るのではなく、業務を分解し、クラウド上で最適化することで、スタッフが“人にしかできないホスピタリティ”に時間を使える環境を整えることがAXだ」と説明する。

こうした業務再設計により、導入施設では運営コストが平均20〜30%削減されただけでなく、スタッフの負荷軽減といった定性的な成果も確認され、離職率の低下にも寄与している。情報と業務をクラウドに集約し、複数施設を横断して管理できる同社の運営モデルは、現場の持続性と経営面の安定性を両立する新しい選択肢として、宿泊業界で存在感を高めつつある。

一部の施設では自動チェックイン機「suitebook KIOSK」を用いた交通系ICによるスマートチェックインが可能

建物の再生からエリア価値向上まで広がるホテルづくり

舘林氏は「当社のホテルづくりに同じものはない。『再生』は空間が持つ時間や物語を生かし、『コンバージョン(転用)』は建物に新しい役割と収益性を与え、『新規開発』では地域の未来を見据えた機能を創造する」と語る。

創業以前、北海道の空き家をAirbnbで運営した経験が、同氏の中にSQUEEZEの根幹となる“空間に価値を詰め込む”という感覚を形づくった。こうした思想は、オフィスをホテルへ転用した「Minn 日本橋水天宮前」、ホステルから転用した「Minn 浅草蔵前」、ディスコ跡地を活用した「シアテル札幌」など、多様な再生プロジェクトに息づいている。

2017年に初のホテル開発として手掛けた「Minn 十三」は、空室の多かったスナックビルを約40室のアパートメントホテルへ再生した事例であり、運営ノウハウとデジタル基盤の両方を融合させるSQUEEZEの原点となった。

北海道北広島では、エスコン社が推進する新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を中心としたエリア開発において、同社と北海道日本ハムファイターズが手掛ける「tower eleven hotel」「tower eleven onsen&sauna」の運営を担っている。さらに、2025年3月に開業した「エスコンフィールドHOKKAIDOホテル 北広島駅前」では、ホテル運営のみならず、駅前エリアのまちづくりの一環として参画。SQUEEZEは各事業者と連携しながら、suitebookを軸に宿泊・商業・観光・住宅のデータを滑らかにつなぐ“エリア単位のデジタル基盤(AXプラットフォーム)”の構築を担当し、地域全体の取り組みの一部を技術面で補完している。

「ホテルというプロダクトを通じて、街に人の流れを生み出す。観光・雇用・交流が循環する“まちのエンジン”になれる存在こそ、私たちが目指すホテルづくりだ」(舘林氏)。

北広島エリアの開発では、ホテルの開業を契機に、野球観戦後に地域へ滞在する動きが生まれ、駅前エリアの飲食や商業施設の回遊性が向上。“泊まる・遊ぶ・巡る”がつながり、街の価値を立体的に高める循環が芽生えつつある。このモデルは全国の自治体やデベロッパーからも注目されており、SQUEEZEは地域再生・観光まちづくりにおいて、パートナーとともに新しい可能性を広げていく立場として連携を拡大している。

2025年7月に開業した、「Minn 日本橋水天宮」

ホテルを起点に、街と人の未来をひらく

創業から11年、SQUEEZEはホテル運営会社の枠を超え、「宿泊と地域の価値をつなぐ観光インフラ企業」へと進化を続けている。suitebookを中心に、需要予測や価格最適化、遠隔オペレーションを組み合わせてホテルの生産性を高める一方で、地域の回遊性や滞在価値を可視化し、観光まちづくりにも貢献する取り組みが各地で広がっている。

「ホテルは、人と街とテクノロジーが交わる接点。私たちはその構造を再設計し、suitebookを核に、地域の事業者や行政とも連携しながら新しい産業モデルを日本から世界へ広げていきたい」と舘林氏は話す。今後は国内での利用拡大に加え、アジア圏のホテルや不動産企業とのグローバルな連携も視野に入れている。また、滞在中の行動データにもとづいた館内サービスの提案や、自社開発のハードウェアを活用した付帯収益の向上にも取り組む計画だ。

舘林氏は最後にこう語る。「SQUEEZEの原点は、使われていない空間や時間に再び光を灯すこと。そして、これからのミッションは “人が活きる仕組み”を街のなかにつくること。テクノロジーがホテルを支え、ホテルが街の動きを生み、街が人を支える。その循環が広がることで、観光も地域ももっと豊かになっていく。私たちはその未来を実装する存在でありたい」。

広告:SQUEEZE(スクイーズ)

問い合わせフォーム

記事:トラベルボイス企画部

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

注目企業 セレクトSPONSORED

トラベルボイスが注目する企業の特設サイトです。ロゴをクリックすると注目企業のインタビューやニュースを一覧することができます。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…