厚労省と観光庁、民泊ルールづくりで初会合、議論の先には旅行業法との関係も

厚生労働省と観光庁は、2015年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」を受け、2015年11月27日に初回となる「民泊サービスのあり方に関する検討会」を実施した。急増する民泊でのルールづくりへの具体的な活動が始まったもの。今後、月1~2回目途に開催され、2016年3月中を目途に中間的な論点を整理、夏から秋には一定の取りまとめを行い報告書とする計画だ。

検討会は、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部生活衛生課と観光庁審議官が開催し、東京大学大学院工学系研究科教授の浅見泰司氏を座長として、旅館・不動産・地方自治体・法律事務所などの有識者が集って行うもの。オブザーバーとして経団連の産業政策本部長、上田正尚氏もメンバーに入っている。経済効果が大きな民泊と治安・安全性の維持、既存宿泊施設との関係性など各界有識者の見解が示され、活発な議論が展開された。

民泊で関連する現行制度では、「旅館業法」「不動産賃貸業」「建築基準法」がある。国家戦略特区における旅館業法の特例、農林漁業体験民宿業、イベント民泊を除いて、各法律上で一定のルール作りが必要だ。また、議論が進む中で、民泊が「旅館業」に該当するとされた場合はAirbnbをはじめとする民泊サービスを仲介する事業が「旅行業」に該当する点もポイントのひとつとなる。

民泊の課題を整理すると大きなポイントは以下の2点。冒頭のあいさつにたった観光庁・審議官の古澤ゆり氏は、民泊の検討にあたる前提として、宿泊施設の需給圧迫や外国人旅行者によるホームステイ需要があることを指摘。各種の業法上の課題や近隣住民のトラブルなどが顕在化していることから、「実状に沿ったものにしていく必要がある」との考えを示している。

  1.  空き室を旅行者に対して仲介する行為自体は、旅館業法の規制対象ではないものの、Airbnbなどの仲介サイトを通じて反復継続して有償で部屋を提供する者は旅館業法の許可が必要。
  2.  訪日外国人の宿泊需要や空き室の有効活用など地域活性化の要望に応えるために、テロ防止や感染症の蔓延防止などで適正な管理、安全性の確保を図るルールづくり。

そこで想定される主な論点は以下だ。

  1. 民泊の必要性と位置づけ
  2. 旅館業法との関係(位置づけ、構造設備基準との関係)
  3. 建築基準法、消防法における構造設備基準との関係
  4. 旅行業法との関係
  5. 仲介事業者の位置づけ、役割

また、諸外国の事例、旅館・ホテルとの競争条件、地域ごとの宿泊需給の状況、規制などに対応する自治体の体制、課税の適正化など、様々な留意点も存在する。民泊の解禁に対して慎重な議論を求める声も根強く、こうしたことを踏まえて、さらなる活発な議論が展開されることになりそうだ。次回の会議は12月14日の予定。関係者へのヒヤリングなどが予定されている。

なお、今回の会議では、厚労省が自治体に調査した民泊の無許可営業に対する対応状況の資料も公開された。

その資料の記事はこちら>>>



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