外務省、イスラム教シーア派聖職者処刑の抗議デモで渡航者に注意喚起

外務省は2016年1月4日、イスラム教シーア派聖職者の死刑執行に対する抗議デモに関する注意喚起を発出した。

イスラム教シーア派、およびスンニ派住民が居住する国や地域への渡航者や滞在者に対し、最新情報の入手を促すとともに、モスクなどの宗教施設や政府関連の建造物には不用意に近づかないなど、自らの安全確保に努めてほしいとするもの。また、抗議行動やデモなどに遭遇したり、不審な状況を察知した際には、決して近づいたりせず速やかにその場を離れてほしいとしている。

2016年1月2日、サウジアラビア政府がイスラム教シーア派聖職者二ムル・アル・二ムル師の死刑執行を行ったことを受け、同日よりシーア派住民が多いイランではサウジアラビア大使館前での抗議デモや同大使館への侵入事案が発生。多くのシーア派住民が暮らすサウジアラビア東部でも同様の抗議デモが継続している。

また、イランやサウジアラビアだけでなく、イスラム教シーア派住民が多数存在する中東・欧米地域にて、今後も同様の抗議デモや暴力事案が引き続き発生。さらにスンニ派住民によるシーア派への抗議デモや暴力事案が発生する可能性もあるとしている。

なお、外務省によるイラクの治安情勢についても発表。イラク国内は比較的安定している地域においても今後急速に治安が悪化する可能性があり、全土にわたって十分な警戒が必要としている。

外務省では短期の海外旅行や海外出張には家族や友人、職場などに連絡先などを伝え、「たびレジ」に登録することを推奨。3か月以上海外に滞在する場合は、必ず在留届を提出してほしいとしている。


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