2017年の航空業界予測、不安材料は燃料高、アジア太平洋では競争激化も -IATA

IATA(国際航空運送協会)が発表した2017年の航空市場予測によると、世界の航空会社による純利益総額は298億ドル、総売上額は7360億ドルとなる見通し。売上純利益率は4.1%。

また2016年の見通しについては、昨年6月時点で発表していた予測値(394億ドル)を下方修正。しかし2015年実績はわずかに上回り、過去最高となる356億ドルを達成するとしている。同じく売上純利益率も5.1%と過去最高を予測している。なお、下方修正は、世界GDP成長率が当初予測よりも鈍化したこと、燃料費以外のコスト上昇などが理由という。

IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長は、今年の見通しについて、原油価格の上昇や、政治・経済の不確定要因、セキュリティ問題など厳しい環境が見込まれているが、「298億ドルの純利益を確保できると予測しており、これは十分すぎるソフト・ランディングの達成。過去数年、航空各社が利益体質の改善に努力したことで、ショックへの耐性も強くなった。ただし競争が激しい業界なので、コスト管理は引き続き難題だ」としている。

最も大きな不安要因は原油価格という。2016年の平均原油価格はバレル当たり44.6ドルだったが、2017年は55ドルまで上昇すると予測されている。これに伴い、ジェット機の燃料価格も昨年のバレル当たり52.1ドルから64.9ドルへの上昇が見込まれている。2017年は、燃料費が航空コスト全体の約18.7%を占めると推計。ただし直近で最も燃料が高騰していた2012~2013年の燃料比率は33.2%で、当時と比較すると、現在のレベルはまだ低い。

燃料安に起因した航空運賃の下落が期待できないため、2017年は旅客数の伸び率が鈍化し、昨年比0.8ポイント減・5.1%の増加と推計している。航空座席供給の伸び率も同様に鈍くなり、同0.6ポイント減・5.6%。しかし供給増が需要増を上回っているため、世界全体での座席稼働率はダウン。2017年は同0.4ポイント減・79.8%と予測している。

一方、グローバル経済の成長が好材料だ。世界のGDP成長率は、昨年の2.2%から今年は2.5%に好転すると見込まれているため、2012年から下落が続いているイールド(利益)が、貨物、旅客輸送の両方で好転すると期待している。

地域別の2017年予測値は、北米の航空市場が最も堅調。税引き前利益は2016年比で約11%減少するものの、181億ドルを達成し、純利益率は8.5%と予測。これに対し、欧州の航空市場では純利益は約25%減・56億ドル、純利益率は2.9%。アジア太平洋地区は、同14%減・63億ドル、純利益率は2.9%。アジア太平洋市場では、貨物需要の好転が期待される一方、新興ビジネスが活発であるため、競争はますます激化。また地域内で各社の利益率の差が大きいことも特徴としている。

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