HIS、航空の子会社経営権を香港企業に譲渡、出資比率3割以下もシナジー追及は継続

エイチ・アイ・エス(HIS)は2017年5月26日の取締役会で、連結子会社で同社の運輸事業部門であるアジア・アトランティック・エアラインズ(AAA)について、第三者割当増資の実施を決議した。これにより、アジア・アトランティック・アラインズは2017年10月期第3四半期から、持分法適用関連会社となる。

アジア・アトランティック・エアラインズはタイ・バンコクを拠点とするチャーター航空会社。バンコク/瀋陽、プーケット/瀋陽を定期便で、バンコク/千歳を定期チャーターで運航するほか、繁忙期に短期チャーターを運航している。

第三者割当増資の引受先は、航空機リースや運営コンサルタントなどを行なう香港のSky Cruiser Holdingと、タイの航空関連コンサルタントを行なうAerolanceの2社。新株を5万3000株発行し、HISグループの所有株式割合は87.97%から28.16%と低下する。一方、経営権はSky Cruiser Holdingsに移る。

今回の決定について、同日開催の決算説明会に登壇したHIS取締役副会長の平林朗氏は、「経営権を中国ベースの会社が持つ方が大きく発展する」と説明。現在、タイには訪日中国人より多い年間800万人が訪れ、年率30~40%の高い成長が続いており、中国/タイ間のチャーター便も多く運航されている。

この状況に加え、タイ/中国間が二国間協定で自由な運航が可能であることも、判断理由となった。タイ/日本間は、国際民間航空機関(ICAO)による重大な安全上の指摘(SSC)を受け、国土交通省の規制が存在しているという。

ただし平林氏は、引き続きHISが株式を28.16%所有することを強調。「HISの事業とのシナジーを追求していく」と語った。

第三者増資割当の期日は2017年6月上旬を予定。アジア・アトランティック・エアラインズは資金調達による財務基盤と経営基盤の強化を図り、Sky Cruiser Holdingsの追加資材調達やネットワークを活かしたアジア圏での新規路線開設と販売を推進する。タイでの定期航空会社としての確固たる地位を目指すとしている。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。