観光産業の次期ターゲットは「週末トラベラー」? 米国人旅行者の動向と検索マーケティングのヒントをまとめた【外電コラム】

非日常を求めて旅に出たい。でも休めるのはせいぜい週末2~3日ぐらいかなぁ…。そんな思いに悶々としているのは、あなただけではない。

長いバケーションを取る代わりに、週末を利用した小旅行の回数を増やして満足する旅行好きが徐々に増えているようだ。フォーカスライトの調査によれば、2014年以降、日数の多い長期間の旅行はわずかながら減少傾向にある一方で、短期の小旅行は年率17%増の勢いで増えている。

ただし期間の長短に関係なく、旅行のコストに対する意識は厳しくなっており、出費額は以前より抑えめだ。その内訳をみると、宿泊施設にかける予算を圧縮する一方、タビナカでのアクティビティは重視するという姿勢が急速に高まっている。特に学校が夏休みを迎える今の時期は、家族旅行で未知の場所を探訪し、ずっと忘れない思い出を作る絶好の季節だ。

週末派の“つわ者”たちを攻略するデジタルマーケティングの手法を考えてみよう。まず手をつけるべきは、検索対策だ。週末トラベラーたちは、旅行に関するサービス購入に至るあらゆる段階で検索を活用している。そして、全体の73%が最初に検索をかけるときに使うのは、ごく一般的な検索サービスを使って行き先や何をするかなどのアイデアを探している。つまり初期の段階、まだプランが固まっていない時期に照準をあてたサーチエンジンマーケティング戦略で旅行者層を捉えることが、かつてないほど重要になっている。

以下に、私が考える検索マーケティングの重要ポイントとアドバイスをまとめた。旅行関連各社がウィークエンド需要を取り込むのに役立てば嬉しい。

近場にフォーカスする

まず地図を用意して、自社のターゲット客層を探す。時間に制約がある旅行者の場合、デスティネーション選びで最も重要なのは距離的な近さだ。あなたがサービスを提供しているエリアへ、ドライブ旅行で簡単にアクセスできそうな顧客層のデモグラフィクス(人口統計情報)を把握しよう。

もしもあなたが空港周辺で事業をおこなっているのなら、空路でのアクセスしやすい地域の客層もターゲットに加える。過去の利用客データを参照して、どの方面からの利用客が多いかを把握することも重要だ。特に注目すべきは「ミレニアル世代」。昨年実施した調査結果によると、ミレニアル世代のファミリーは他世代と比べて、旅行する頻度が36%も高かった。

アドバイス:

検索プロセスの初期段階にあるユーザーの関心を惹くには、ブランドを前面に出すのは控え、旅行の特別割引や魅力的な価格ポイント活用するのが有効だ。Google AdWordsを使う場合は、価格表示オプション(プライスエクステンション)などを使ってアピールしよう。自社ブランドへの信頼アップには、レビュー表示オプション(レビューエクステンション)も役立つ。

特別イベント周辺は大盛況

コンサートやスポーツの試合などのイベントも、旅行を決定する重要な要因の一つ。当社のデータによると、スポーツイベントが開催されるだけで航空券の予約高はかなり増える。例えば、ミネアポリス線の航空券予約では、スーパーボウル開催前の2週間と開催後の2週間を比べると前者が27%多かった。同様にサンアントニオ線でも、ファイナルフォーのプレイオフ期間中は予約が44%増となった。

人気スポーツイベントやコンサートは、旅行関連各社がパッケージ商品や体験、アクティビティを追加販売する絶好のチャンスだ。当然、この需要に注目している企業も多い。エクスペディアはイベントチケット販売に乗り出した。イベント関連の宿泊パッケージを販売するホテルによると、こうした商品は、予約が入ってくる期間は通常より長く、キャンセル率は低いなど利点が多い。地元や地域のイベントをしっかり把握しておくことは、旅行者との関係構築や、ビジネスチャンス拡大につながる。

アドバイス:

サーチ対策の戦略立案は、旅行者の発着地点、さらにNBAやNHLのプレイオフなど、人気イベントの開催日に合わせた旅行日程を考慮して展開しよう。イベントに関連する魅力的なオファーやパッケージの組み合わせを打ち出せば、商品価値はさらにアップする。

体験を提供しよう

当社データのサーチ件数ランキングでは、1位は宿泊施設。次いで観光スポットやデスティネーションの検索が続き、旅行関連の検索全体の29%を占めた。動物園、水族館、博物館、公園、歴史遺跡などの観光スポットをクリックする件数は、前年比2桁増で伸びている。

このことから、旅行をしたいユーザーがこうしたアトラクションやアクティビティを中心に旅行計画を進めている状況が推察される。それならば、旅行各社側も同じように動くべきだ。民泊エアビーアンドビー(Airbnb)は、すでにこうした客層を取り込もうと、「エクスペリエンス」セクションを展開。旅行者に対し、ローカルツアーやイベント、その他さまざまなアクティビティを提供している。

自社の顧客デモグラフィクスを熟考することは、いかなる場合においても大前提になる。昨今、クリック数が2桁増で伸びているのは、シニア層、ハネムーナー、家族連れ、アドベンチャー派向けのバケーション体験なので、こうした市場セグメントにアピールするサービスや特別パッケージを提供するのも一案だ。

アドバイス:

Google Adwordsの「拡張サイトリンク」機能を使えば、様々なプラン一覧を紹介できる。対象となる顧客層にアピールする体験型パッケージを考案するべきだ。

すべてはタイミングにあり

ツアーやアクティビティの売上高は、2016年時点では1290億ドルだが、2020年までに1830億ドルへと拡大することが見込まれている。そして、旅行者は常にこれから先のプランを考えているもの。バケーション全体の半数以上で、少なくとも一回は観光スポットやアトラクション施設を訪問するようになっている。このうち68%は、計画段階からこれら施設などの訪問を旅程に組み込んでおり、残りは現地についてから決めている。一方、体験プランなどのアクティビティについては、大多数の旅行者は、1週間前から予約を入れ始めている。

アドバイス:

動物園、水族館、公園などのアトラクション施設一覧を拡張サイトリンクで紹介しよう。Google Adwordsなら、ダイナミック検索広告(ダイナミック・サーチ・アド)機能を使うことで、旅行者がちょうど探していた内容を見つけやすくなる。

※編集部注:この記事は、世界的な観光産業ニュースメディア「トヌーズ(tnooz)」に掲載された英文記事を、同編集部から承諾を得て、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集しました。

※オリジナル記事:Search marketing insights to entice weekend travelers


著者:トロイ・スコフィ-ルド氏 Bing Ads社の旅行担当アナリティクス・プログラムマネジャー

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