世界の海外旅行者数が14億人突破、2年前倒しで予測を達成、2030年に18億人に拡大へ ―世界観光統計(2018年推計)

UNWTO(国連世界観光機関)が発表した最新の世界観光統計によると、2018年の海外旅行者総数(到着ベース、一泊以上の旅行者)は6%増で推定14億人。2010年に発表された長期予測では、14億人到達が2020年になると見込まれていたが、2年前倒しで達成。世界経済の成長率3.7%を大きく上回る伸びとなった。

UNWTOでは、海外旅行市場の拡大要因について、世界経済が総じて成長傾向にあるうえ、テクノロジー進歩によって登場した新たなビジネスモデル、ビザ緩和、航空利用による旅行の浸透などが挙げられると分析。今後、2030年には18億人に拡大するとの予測も示している。

2030年までの予測と実績は以下のとおり。実績が赤い線、過去のトレンド曲線が太い青色、予測値が薄い青色で示されている。

UNWOT:発表資料より

アジアと欧州は6%増で堅調、米国は平均を下回る推移に

地域別では、中東(10%増)、アフリカ(7%増)、アジアとヨーロッパ(ともに6%増)が2018年の成長に寄与。アメリカへの旅行者数は3%増となり世界平均を下回る結果となった。

内訳をみると、ヨーロッパへの旅行者数は7億1300万人に達しており、特に南ヨーロッパと地中海ヨーロッパ(7%増)、中央ヨーロッパと東ヨーロッパ(6%増)が寄与。北ヨーロッパでは横ばいだったが、これはイギリスが低調だったためとみられる。

アジア太平洋地域は6%増の3億4300万人。東南アジアへの旅行者数が7%増加したほか、北東アジアが6%増、南アジアが5%増と続く。オセアニアの成長率はこれらと比べると緩やかで、3%増に留まった。

一方、アメリカは2018年に2億1700万人の観光客を迎えたものの、旅行先によって結果は様々。北アメリカ(4%増)と、南アメリカ(3%増)が成長の追い風となった一方で、中央アメリカとカリブ海(ともに2%減)はマイナス要因に。後者は、2017年9月のハリケーン・イルマとハリケーン・マリアの影響が反映されている。

そのほか、アフリカは7%増(北アフリカが1.0%増、サハラ以南のが6%増)となり推定6700万人。中東は10%増の6400万人と堅調な結果を示した。

2018年の地域別の成長率は以下のとおり。

UNWTO:報道資料より

2019年の成長率は「一服」の予測、英国のEC離脱(Brexit)の動向も影響か

2019年にの成長率ついては、現在の傾向や経済の見通し、UNWTOの信頼度指数に基づき、3〜4%増加すると予測する。

その背景としては、燃料価格の安定によって飛行機での旅行がさらに浸透するうえ、多くの地域で便の接続性が向上。インドやロシアをはじめとする新興市場からの海外旅行が好調となることが期待できることに言及。一方で、世界経済の減速やBrexitに起因する不透明感、地政学的や貿易分野での緊張が「様子見」ムードを広める恐れもあるとみている。

UNWTO 世界観光統計「International Tourism Results 2018 and Outlook 2019」(プレゼンテーション版、PDFファイル、7ページ)

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