西日本豪雨から1年、外国人の7割が被災地訪問を「控えようと思わない」、一方で市場別では意識わかれる

日本政策投資銀行岡山事務所はこのほど、2018年7月の西日本豪雨が訪日旅行者の意識に与えた影響を調査した。2018年10月の時点で「岡山に行ってみたい」と回答した旅行者を対象にしたもの。

それによると、調査対象者の半数近くが日本について「自然災害が多い」というイメージをもっている一方、6割以上が「旅行先として安全」(68.3%)、「自然災害からの復旧が早い」(60.8%)と回答。否定的な回答は少数派となった。ただし、自然災害時の外国人への対応として「進んでいる」イメージを持つ人は38.1%にとどまる。

市場別では、台湾で「旅行先として安全」(95.8%)、「自然災害からの復旧が早い」(81.3%)との回答が多かった。

西日本豪雨前後の被災地への旅行では、岡山訪問希望者全体の7割が「自然災害があっても旅行を控えようと思わない」と回答。そのうち3割弱は「安全と分かれば積極的に訪問したい」と答えた。

市場別では、回答者全体のうち、中国と韓国は「自然災害後から、今でも被災地旅行を控えている」割合が半数を超えるが、欧米豪や台湾、香港では「控えようとは思わない」が3~4割と、意見が分かれている。

DBJ岡山事務所 作成資料より

なお、調査対象者が訪日旅行中の自然災害で求めたい対応(5項目まで回答)については、「自国大使館や家族との連絡手段の案内や提供」(38.6%)、「代替移動手段や宿泊施設に関する多言語案内と手配補助」(38.6%)がトップ。次いで「外国人対象の避難所の設置」(36.5%)、「多言語による避難誘導」(35.4%)、「被害状況、交通・通信などの復旧状況に関する多言語ウェブサイト」(34.9%)など。

市場別では、韓国で「外国人向けプッシュ型情報発信アプリ(多言語)」(75.0%)が多かったほか、中国では「多言語コミュニケーションカードや指差しフリップボード」(21.1%)、「ピクトグラムによる誘導表示」(31.6%)、欧米豪では「通訳・翻訳ボランティアの提供」(35.3%)、「テレビ・ラジオによる多言語放送」(35.3%)などへの期待が多く寄せられた。

この調査は、中国、台湾、香港、韓国、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスの12地域を対象に実施したもの。全回答者(6286名)のうち「岡山に行ってみたい」との意向を持つ189人について詳細を分析している。

詳細レポートは以下から参照できる。

日本政策投資銀行 岡山事務所「訪日外国人旅行者の意向調査(災害追加調査)」

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