空港の旅客サービス、荷物預かりで「人手」を好むは54%、自動セルフ44%を上回る、テクノロジー活用の期待は「キャンセル予測」や「リアルタイム情報」に高く

世界の航空データを取り扱うOAGはこのほど、空港でのカスタマーサービスをテーマとするアンケートを実施した。空港会社がテクノロジー投資を拡大するなか、旅行者が「機械による自動化 vs 人間による対応」のいずれを求めているかを分析するのが目的だ。

その結果、「航空券の発行」(機械66%:人間34%)と「チェックイン処理」(機械68%:人間32%)は機械による対応が優勢だったが、それ以外の項目では多くの旅行者が「人手」による顧客サービスを好む傾向が明らかになった。世界の空港では、テクノロジー活用でサービス自動化を進める動きが加速するが、旅客側はすべてのサービスに自動化を求めていないようだ。

例えば、「荷物預かり」サービスではロボットによる対応を好むとの回答(44.9%)に対して人手によるサービスを好む割合が54%。同様に、セキュリティチェック(51%)、搭乗手続き(64%)、コンシェルジュ(83%)、機内サービス(80%)も人間による対応が好まれる結果に。特に、コンシェルジュサービスや旅行情報に関しては、ロボットの応対に意義を感じる人はわずか17%に過ぎなかった。

OAG:報道資料より

一方、以下のように、テクノロジーなどを活用した新たな対応への要望も判明している。

  • ターミナルやゲート内を移動する際の、GPSを活用した映像・音声による道案内(54%)
  • 手荷物のX線検査を受けるための準備用スペースの拡張(40%)
  • フライトの遅延とキャンセル予測(78%)
  • 到着時刻(75%)、セキュリティチェックの待ち時間(77%)、ターミナルとゲート間の移動時間(55%)に関するリアルタイムの情報配信

OAGでは今回の結果を受け、人手による対応が期待される一方で、自動化を望む顧客層も拡大すると分析。最新情報の配信など「手軽で便利」なツールへの期待が高まり、それらによってストレスが軽減すれば満足度が向上し、数百万ドルものハイテク投資とほぼ同等の効果が得られると予測する。

特に「時間と情報」を気にするビジネスマンに通知などを配信することでゆとりが生まれ、手荷物検査場を通過後、ゲート側の売店、レストラン、バーなどを利用する機会が拡大。スマホを活用したオンデマンド型の飲食デリバリーサービスがあれば、テイクアウトの食べ物や飲み物を利用しやすくなるため、空港や売店の収益拡大にもつながると示唆している。

この調査は、OAG社のアプリ「FlightView」を利用しておこなわれたもの。調査対象は2万人以上の米国人旅行者。

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