香港国際空港の占拠で起きた大混乱、香港の観光とビジネスで懸念されるイメージダウン【外電】

AP通信

世界で最も混雑する空港のひとつ香港国際空港は2019年8月12日、「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議行動によって占拠されたことで、大規模な欠航便が発生。旅行者や出張者は途方に暮れ、世界中の航空会社が大損害を被り、抗議行動の結果、アジアでビジネスを展開するうえで最適な街という香港のイメージさえも脅かされている。

12日の月曜日は200便以上が欠航。最新情報では、13日火曜日の早い時間帯では何便かが離発着を行ったものの、17時45分現在(現地時間)、再び空港が占拠され、すべての出発便がキャンセルになった。空港当局の発表によると、出発便のチェックイン手続きは16時30分時点で中止。一方、到着便については、数十便がキャンセルされているものの、オペレーションには影響はないとしている。AP通信によると、14日朝にはチェックインが通常通り再開されているようだ。

8月12日の空港内の様子(AP通信)

12日の空港占拠は香港のビジネスと観光に直接的な影響

民主化運動の何千という支持者たちが空港ターミナルに押し寄せ、世界に向けて彼らの主張と警察当局による強硬な排除手段を訴えた。そのなかの多くは、警察による催涙弾によって目を負傷したといわれる女性支持者の顔写真を貼り付けたゴーグルを付けることで、連帯を示した。

これまで、抗議行動は香港の街なかで行われてきたが、空港での抗議行動は150便ものフライトがキャンセルせざるを得ない事態になり、ビジネス旅行と観光旅行双方に直接的な影響を及ぼしている。

「香港でビジネスを展開するうえで政治的なリスクのレベルはかつてないほど高くなっている。この状況は一時的なものではない」とグローバルリスクを評価するコンサルティング会社Veritas Maplecroftのアジア担当主任アナリストのHugo Brennan氏は話す。

「香港でビジネスをまだ展開していない投資家の間では、香港をビジネス拠点にすることに疑問を抱き始めている人もいる。なかには、アジア太平洋でもっと政治的に安定した都市を探し始めている投資家もいる」と続ける。

香港特別行政区は、空港を占拠する抗議行動は旅行と運送の中心である香港の評判を落とすものだと警告。香港特別行政区政務司司長マシュー・チャン氏は「空港の運営に深刻なダメージがある。香港国際空港は国際航空のハブであり、同時に香港経済の幹である」とコメントした。

8月12日の様子(AP通信)

アジアのビジネスハブとしての危機

すでにビジネス旅行者は乗り継ぎ空港として香港以外に目を向け始めている。

旅行マネージメントプラットフォームCWT(旧Carlson Wagonlit)の広報Julian Walker氏は「多くの国が香港に対して渡航安全情報を発出していることから、6月と7月の香港への予約は減っている」と明かし、12日の空港占拠が予約にどれほどの影響があるかまだ分からないと付け加えた。

香港の外資誘致を担当するInvestHKは、「香港はアジアの主要マーケットに4時間以内にアクセスできるのが最大のセールスポイントで、だからこそ8000社もの企業がさまざまな機能のベースを香港に置き、100社以上の航空会社が香港から190都市に便利で効率的な旅行を提供している」と説明する。空港国際評議会 (ACI)のデータによると、2018年の香港国際空港の旅客数は7530万人。ドバイに次いで世界で2番目に混雑している空港だ。また、貨物の取り扱いでも世界有数の空港。昨年、同空港を利用した貨物機の輸送量は500メトリックトンに達する。

「香港の状況は、潜在的重要性の点において危機的になりつつある。また、世界クラスの空港によって支えられている安全で安定したビジネスハブという評価も脅かされている」。そう話すのはイギリス・ワーウィック大学のLoizos Heracleous教授だ。

実際のところ、空港閉鎖は何千というビジネス旅行者を困らせた。

出張先のインドから香港経由でサンフランシスコに帰国する予定だったソフトウェアエンジニアのJoydeep Chakravarti氏は、そのサンフランシスコ便がキャンセルになったことで、香港に留まる羽目になった。「僕はただ家に帰りたいだけ」と嘆く。彼は、手荷物としてPC、バッテリー、着替えのシャツしか手元になかったため混乱する空港を離れることに躊躇していた。「この状況を上司に説明したよ。たぶん、仕事には間に合わないないだろうってね」。

8月12日の様子(AP通信)

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