アジア気鋭のオンライン旅行会社「アゴダ」社CEOが語った、競争激化の中で勝ち抜く戦略、型破りな「最安値」から「パートナシップ」まで【外電】

シンガポールをベースとするOTAアゴダは、「最高のテクノロジー」を駆使し、顧客のために「最高のインベントリー」を揃えて、競争が激化するアジア市場を勝ち抜く意気込みだ。同社のジョン・ロートン・ブラウンCEOは、先ごろ開催された国際イベント「WiTシンガポール2019」でのWiT創設者イェオ・シュウ・フーン氏とのインタビューで、新しいプロダクト、「型破りな」をパートナーシップ、そして未来について語った。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」に掲載された英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

宿泊施設に加えて、自社でフライト予約も

アゴダといえばホテルの予約サイトだった。しかし、今は違う。同じブッキンググループのメタサーチ会社KAYAK(カヤック)を活用したフライト予約を始め、今では自社でフライトの在庫を持っている。また、タビナカ体験予約サイトGetYourGuide(ゲットユアガイド)を通じて現地ツアーやアクティビティ予約にも乗り出している。バケーションレンタルもスタートし、今ではアゴダの事業の大きな柱となった。

さらに、Grab(グラブ)との提携でライドシェアさえもラインアップに加えた。ブラウン氏は「我々はユーザーのことを間近で見ている。そして、ユーザーが本当に必要なものや解決できる課題が分かれば、我々はそれを構築していく」と語った。

フライト予約は、ユーザーからの要望が特に強かったものだ。「だから、5ヶ月にわたってフライト商品を築きあげた。もう、これでKAYAKを覗く必要はなくなった。アゴダを訪れれば、世界中のフライトを予約できる」とブラウン氏は語った。

Mix and Saveで、最安値よりももっと安い宿泊を

2019年7月、アゴダは、今まで以上に料金に敏感な旅行者向けに新しい施策「Mix and Save(組み合わせと節約)」を始めた。これは、同じホテルでも最安値の部屋を組み合わせて予約することで、最大50%も安く泊まれるというもの。たとえば、2連泊するとき、1泊目はAという部屋を予約し、2泊目はもっと安い違う部屋を予約する。

「予約を分割することに慣れていないユーザーにとって、Mix and Saveは複雑でわかりにくいのでは」という質問に対して、ブラウン氏は「ユーザーにもっとこの新しい商品のことを知ってもらう必要がある。部屋をいちいち移動するのは不便で、同じ部屋に宿泊したいと考える旅行者はいるだろう。でも、そういう旅行者に言いたい。『同じ部屋に泊まるよりも20%も安くなるかもしれないよ』と。『そうなれば、ハッピーですよね』と」と話す。

また、ブラウン氏は、このメリットをホテル側にも伝えていく必要があると付け加える。「ホテルは宿泊者にできるだけ素晴らしい体験をしてもらいたいと考えている。我々が通常よりも20%安いパッケージを提供して、それで予約が増えれば、ホテルも嬉しいのでは」。

「型破りな」パートナーシップでビジネス拡大

WiTシンガポール2019でトラベルスタートのステファン・エクバーグ氏は、「型破りなパートナーシップ」をテーマにオープニング講演を行った。ブラウン氏はその講演を引き合いに、アゴダとライドシェアGrabとのパートナーシップについても語った。

「Grabとの提携は、アゴダとブッキング・ドットコム双方にとって素晴らしいことだ。両社とGrabがつながることで、Grabユーザーも我々が提供するホテルを簡単に予約できるようになった。この関係をさらに強化していきたい」。

また、ブラウン氏はJTBとのパートナーシップについても言及。両社は2018年に、オンライン販売拡充と宿泊仕入れ強化に関して包括的業務提携を締結した。アゴダはJTBが持つ日本国内最大の宿泊在庫にアクセスすることができ、JTBはアゴダが構築するテクノロジーを活用することができる。

ブラウン氏は2010年に副社長としてアゴダに入社。2018年6月に、ロブ・ロセンステイン氏の後を継いでCEOに就いた。ロセンステイン氏は現在会長を務めている。

ブラウン氏は、アジアでの仕事は「特権」だという。「アジアで競争に勝ち抜くことができれば、世界のどこでも通用する」。

2020年の先を見据えて

未来に向けて、アゴダはタビナカ体験とホテルでの過ごし方を強化していく考え。「ホテルの外でのツアーやアクティビティなどタビナカを試していく」とブラウン氏は話す。

また、カスタマージャーニーとして、どのようにホテルでの滞在を充実させていくかを検討していくが、「その前にホテルのPMS(プロパティ・マネージメント・システム)をもっと改善していく必要がある」とも話す。

たとえば、アゴダの親会社であるブッキング・ドットコムは、韓国の宿泊施設プラットフォームYanolijaに投資したが、同社は韓国でのホテルPMSで豊富な経験があるため、ブッキング・ドットコムやアゴダにとって大きな助けになっている。

ブラウン氏は「我々はYanolijaから多くのことを学んでいる。最終的にユーザーが自身の携帯電話でチェックインし、部屋のドアも携帯電話をタップするだけで開き、ルームサービスも携帯電話で注文できるようにしていきたい。その仕組は複雑で、旧来のPMSでは難しい。しかし、Yanolijaとの協業は、その新しい仕組みに近づく道のひとつだろう」と語った。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」に掲載された英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Agoda CEO on moving beyond accommodation and forging unorthodox partnerships


著者:コリーン・ワン(Corinne Wan)氏、WebInTravel

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。