国際航空運送協会、航空業界の損失規模を2520億ドルに更新、新型コロナによる渡航制限の拡大で前回予測の2倍に

国際航空運送協会(IATA)は2020年3月24日付けで、新型コロナウイルス(COVID-19)による航空業界の損失額について、見通しを更新した。渡航制限がさらに厳しくなり、雇用の不安定化など、世界的な景気後退も懸念されることから、2020年の旅客収入は前年比44%減の2520億ドル(約27兆7200億円)減との予測を明らかにした。

今回の予測は、世界的な渡航制限が今後3カ月続き、旅行需要の回復が始まるのは、今年後半になるとの想定をベースにしたもの。IATAが3月5日に公表した予測では、航空会社の損失は1130億ドル(約12兆4300億円)としていたが、今回はその倍以上との見方を明らかにした。

航空各社の2020年業績予測を地域別に見ると、アジア太平洋地区の航空各社では、旅客キロ(RPK)は前年比37%減、旅客収入は同880億ドル減。同様に、北米は同27%減と500億ドル減、欧州は同46%減と760億ドル減、中近東が同39%減と190億ドル減、南米が同41%減と150億ドル減、アフリカが同32%減と40億ドル減。

この結果、世界の航空業界全体ではRPKが同38%減、旅客収入が同2520億ドル減になるとIATAでは試算。なお、供給座席数(ASK)については、今年6月末までの第2四半期は前年同期比65%まで落ち込むものの、第4四半期には同10%減まで回復するとしている。

アレクサンドル・ドゥ・ジュニアックIATA事務総長兼CEOは、「私からお伝えしたいメッセージは2つ。危機はさらに深刻になっている。航空会社の損失額が2520億ドルにのぼる見込みとなった今、流動性危機を防ぐために、各国政府が早急に動き、財務面で支援することが不可欠だ。また貨物便の運航は生命線となっている。各国政府は、急増する需要に応えようと奔走する事業者のために、あらゆる手を尽くすべきだ。

航空各社は、想像を絶する厳しい状況下、生き残りをかけて必死の努力を続けている。我々には、この状況を乗り越えるのに十分な経験と人的資源があるが、すべてを包み隠さず、率直に申し上げると、お金が足りない。航空業界が、回復のスタートラインに立つことができるようになるまで、各国政府の支援が必要」と訴えた。

※円換算は1ドル110円でトラベルボイス編集部が算出した。

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