世界の2大航空機メーカーも苦境に、エアバス、ボーイングともに大量解雇、第3四半期決算は巨額損失

新型コロナウイルスは、航空会社や空港だけでなく、世界2大航空機メーカーのエアバスとボーイングも苦しめている。国際的な航空旅行が依然として制限されているなか、航空会社は機材計画を見直せざるを得ない状況になっているからだ。

エアバスは2020年10月29日、2020年第3四半期のパンデミック関連の損失が10億ユーロ(約1220億円)に達し、前年同期の9億8900万ユーロ(約1206億円)の利益から7億6700万ユーロ(約936億円)の損失に転落すると発表した。

同社のギヨーム・フォーリィCEOは会見で、「新型コロナウイルスに対応するため、事業の見直しを重ねてきた。しかし、10月28日にフランスとドイツで発表された規制の再強化の影響は考慮していない。我々の事業はさらに厳しくなるかもしれない」と述べた。

エアバスでは、航空需要が2019年レベルに回復するのは2023年から2024年になると予測。主力である単通路機の増産を延期している状況だ。

エアバスはすでに1万5000人を解雇している。フォーリィCEOは、これ以上の解雇は考えていないと言うが、先行きは依然として不透明だ。

ボーイング、737X問題にコロナが追い打ち

一方、ボーイングも状況は同じだ。同社は10月28日、新造機の需要が落ち込でいることを理由に、さらに7000人を解雇すると発表した。同社によると、定年退職や転職などを含めると、今年末までに従業員数は13万人になる見込み。2020年初頭と比べると3万人減少することになる。

同社の第3四半期の損失は4億4900万ドル(約468億円)。前年同期の11億7000万ドル(約1220億円)の利益から大きく落ち込んだ。737MAX問題で財政状況が悪化していたが、新型コロナウイルスがさらに追い打ちをかけた形だ。

737MAXは2年に及ぶ改修を終えて、今年末からは引き渡しが再開されると見られていたが、現在のところ約450機が在庫として残ったままだ。同社は2021年末までに、そのうちの半数を引き渡すことができると見ているが、新たな買い手を探す必要が出てくるかもしれない。

ボーイング737最大の顧客であるサウスウエスト航空は近頃、エアバスのA220に注目していると発言。ボーイングのデビッド・カルフーンCEOは、「サウスウエスト航空の機材は長年に渡ってボーイングだった。今後もボーイング機を使ってくれることを願う」とコメントしたが、どうなるか分からない。

ボーイングの防衛ビジネスは今のところ安定している。しかし、各国とも新型コロナウイルス対策で巨額の予算を投じており、防衛予算を引き締めることも考えられることから、カルフーンCEOは「まったく楽観できない」との認識を示している。

同社は今後、従業員の年金や退職手当などで40億ドル(約4171億円)が必要となる。それを捻出するために事務所の縮小のほか、自社株を活用しようと考えているようだ。しかし、10月28日の同社株は一株7ドル10セント(約740円)下がって148ドル14セント(約1万5400円)になった。今年に入って、54.5%も下落している。

※ユーロ円換算は1ユーロ122円、ドル円換算は1ドル104円でトラベルボイス編集部が算出

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