2020年度の旅行業の倒産件数は23件、過去20年で最小、一方で負債総額は大型倒産で前年増

東京商工リサーチは2020年度の旅行業の倒産状況を発表した。それによると、倒産件数は前年度比14.8%減の23件となり、2年連続で前年度を下回り、過去20年間での最少件数を記録した。このうち、新型コロナウイルス関連倒産は全体の56.5%にあたる13件を占めた。

一方、負債総額は、旅行業では過去最大となる負債278億円のホワイト・ベアーファミリーの倒産があったことから、同1657.4%増の295億6100万円。4年ぶりに前年度を上回り、件数とは対照的に過去20年間で最大を記録した。

形態別では、破産が21件で、特別清算1件と合わせた「消滅型」倒産は全体の95.6%に上った。「再生型」は民事再生法1件のみ。原因別での最多は、「販売不振」で18件で全体の78.2%を占めた。

資本金別では、1千万円以上5千万円未満が同20%減の12件で、全体の52.1%。負債額別では、負債1千万円以上5千万円未満が同7.6%増の14件で最多。従業員数別では、5人未満が18件で、全体の78.2%を占めた。

このほか、地区別で最も多かったの近畿で同166.6%増の8件。関東が同58.3%減の5件、中部が同40%減の3件、東北と九州がそれぞれ2件、北海道、中国、四国がそれぞれ1件だった。

東京商工リサーチでは、倒産減少の背景について、政府や金融機関による資金繰り支援策をあげたが、緊急避難的な政策として始まったコロナ関連融資も返済期限を迎えることから、過剰債務を抱えて資金調達が限界に達した企業の「あきらめ倒産」の増加が今後危惧されるとしている。

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