アセアン新興富裕層の意識、消費は高い機能性を追求、「家族のため」を重視、博報堂が調査

博報堂生活総合研究所アセアンはこのほど、アセアン生活者の意識・行動に関する調査とマーケティングを示唆する「アセアン生活研究2023」をタイ・バンコクで実施した。

世帯月収をもとに中間層の中でも上位に該当する生活者を新興富裕層と定義づけ、アセアン6カ国での定量・定性調査をおこなったもの。タイのバンコクの場合、世帯月収6万5000~15万タイバーツ程度(約25万円~60万円)の上位5~10%にあたる層が対象。

アセアン新興富裕層を表現するキーワードとして「人生に戦略的思考を持つ」「何よりもまず万全な備え」「謙虚でありながら野心がある」の3つを挙げた。全体的に、知識やスキル・貯蓄・保険など全方位的な人生基盤の拡張によって、安定と成長を目指す傾向があるという。

富裕層と中間層の間にあたる新興富裕層。消費行動は、高級・人気ブランドのイメージだけで買い物せず、耐久性やリセールバリューがある高い機能性と所持品で社会的地位や信用が得られるステータス保証効果を追求する傾向があると指摘した。また、自分だけの消費には罪悪感があるが、家族のための消費には糸目をつけないという。

また、メディア行動については、より成功するために有益な情報を多く持つことが重要と考え、高い情報収集能力と集めた情報の周囲への“おすそ分け”が得意。資産形成のための金融関連や世の中の動きを知るためのニュースへの関心が高い。他者から反感を買いづらい家族のための消費など、SNSでの批判を避ける控えめな自己演出も特徴だ。

同研究所は、企業などのマーケティングのために新興富裕層の特性を知ることは、これから新興富裕層になり得るアセアン人口の大半を占める中間層を理解するうえでも重要だとしている。

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