国際航空運送協会(IATA)は、2026年の持続可能な航空燃料(SAF)生産量に関する新たな予測を発表した。それによると、SAF生産量は2025年の190万トンから240万トンに達する見込みだ。
しかし、2025年は2024年の100万トンからほぼ2倍に増加したのに対して、2026年の生産量の増加は鈍化する見通しだ。また、2026年の総燃料消費量におけるSAFが占める割合は、前年の0.6%から0.8%に微増すると見込んでいる。
IATAは、SAF購入によって2025年の航空会社の燃料コストは36億ドル(約5620億円)増加すると試算している。現在、SAFの価格は化石燃料ベースのジェット燃料の2倍、購入義務化されている市場では最大5倍にものぼるという。
IATAは、EUと英国におけるSAF利用の義務化が、SAFの生産と普及を加速させる足枷になったとしている。英国のSAF義務化は価格高騰を招き、航空会社がその負担を強いられている。
再生可能エネルギー由来の電力で製造された水素とCO2を原料とする合成燃料「e-SAF」について、英国では2028年に、EUでは2030年に義務化する。e-SAFのコストは、従来のジェット燃料の12倍にも及ぶ可能性があることから、IATAではSAFの義務化ではなく、強力な生産体制が必要との見解を示している。
※ドル円換算は1ドル156円でトラベルボイス編集部が算出
