米大手航空会社、ジェット燃料の価格高騰も堅調維持、記録的な航空券販売で相殺、一方で長期化に警戒感も

米大手航空会社は、イラン情勢によるジェット燃料の価格高騰によって数億ドルの費用増が見込まれるものの、2026年第1四半期の利益に大きな影響はないと予想している。

デルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空は3月17日、投資家向けに好調な航空券販売がジェット燃料高騰によるコスト増を相殺すると説明。今年の航空券予約は過去最高になるとの見通しを示した。

アーガス・メディアによると、ジェット燃料1ガロンの価格は戦争勃発前日の2.50ドル(約395円)から3月17日には3.93ドル(約625円)まで上昇した。

デルタ航空のエド・バスティアンCEOは、これまでの追加費用は約4億ドルにのぼると明らかにした。また、アメリカン航空とユナイテッド航空の幹部も、JPモルガン産業カンファレンスで同様のコスト増を報告した。ジェット燃料費は通常、航空会社の営業費用の約4分の1を占める。

バスティアンCEOは「ビジネス、国際線、プレミアムレジャー、エコノミークラス、国内線などあらゆる分野で需要が伸びている」と自信を示す。デルタ航空の航空券販売枚数記録で上位10日のうち8日が今年に入ってからのもの。そのうち5日はイラン紛争勃発以降の記録だという。

また、ユナイテッド航空のスコット・カービーCEOは、2026年最初の10週間が同社の航空券販売枚数記録で上位10週間を占め、特に直近2週間は過去最高の販売枚数を記録したと明かした。

アメリカン航空のロバート・アイソムCEOも、同社の予約数上位10日間のうち8日間が今年に入ってから記録したもので、4月と5月も高い需要が続くと予想している。

価格高騰の長期化は国際線に大きな影響

この動きは、繁忙期となる夏の旅行シーズンに向けて、航空会社が運賃をさらに値上げする前に、比較的低価格の航空券を確保しようとする消費者心理が背景にある。

航空業界アナリストは、「燃料費の高騰によって航空運賃が上昇するかどうかが問題ではなく、いつ、どれくらいの期間、どれくらい上昇するかが問題」と指摘している。その影響は、短距離路線よりも燃料消費量が大幅に多い長距離国際線で最も顕著に現れる可能性があるという。

航空会社の中には、燃料価格を数ヶ月、あるいは数年先まで固定する燃料ヘッジ戦略によって、価格の急騰から身を守っているところもある。しかし、すべての航空会社がヘッジをおこなっているわけではなく、ヘッジをおこなっている場合でも、通常は燃料需要の一部しか対応していない。つまり、価格高騰が長期化すれば、より多くの航空会社が運賃を引き上げる可能性がある。

燃料価格が高止まりすれば、航空会社はコスト削減のために運航スケジュールの調整や特定の路線の減便を余儀なくされる。アイソムCEOも「供給と需要のバランスを保つため、輸送能力に関しては柔軟に対応していくつもりだ」と話している。

※ドル円換算は1ドル159円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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