米国で近場旅行が拡大、物価高で車移動にシフト、W杯と建国250周年も国内需要を後押し

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写真:AP通信

米国では、今夏、自宅から近い距離で過ごす人が増えている。航空運賃やガソリン価格の高騰などによって旅行費用が高騰するなかで、この傾向は強まっている。また、FIFAワールドカップや米国建国250周年を記念したイベントなども国内旅行を後押しする要因になっている。

全米自動車協会(AAA)は、2026年6月27日から7月5日の日曜日までの期間に、自宅から約80キロ以上離れた場所へ旅行する米国人は7220万人と推計した。これは、前年よりも0.5%の増加にとどまるが、AAAでは、その増加分にクルーズ船、バス、鉄道の利用者で、飛行機で移動する人が多く含まれていないと見ている。

フロリダ州立大学デッドマン・ホスピタリティ・カレッジのタリク・ドゥグル准教授は、国外への旅行者の減少は国内の観光産業にとってはプラスに働くと指摘する。「支出が国内の小規模事業者に向かう可能性がある。具体的には、地元のレストランや観光スポット、民泊のホスト、予算を抑えつつ近場で旅行を楽しむ人々が利用するドライブコース沿いの店舗などが挙げられる」と話す。

この傾向が今後も続けば、パンデミック以降、米国が抱えてきた旅行・観光分野の貿易赤字が縮小する可能性もある。米国商務省の国立旅行観光局(NTTO)のデータによると、2020年以降、米国人が国外の旅行に費やす金額は、外国人旅行者が米国内で旅行関連の商品やサービスに費やす金額を毎年上回っている。

車で行ける範囲を選ぶ

AAAによると、ガソリン価格が昨年より上昇しているにもかかわらず、独立記念日の週に旅行する人の85%が車で移動すると予想。飛行機を利用するよりも車で移動する方が依然として安上がりなためだ。

カリフォルニア州とネバダ州にまたがるタホ湖周辺では、西海岸の都市部から車で訪れる観光客が増えているという。ある地元の観光事業者は、記録的な暖冬でスキーシーズンの予約は低迷したが、ハイキングやボート遊びに適した気候の到来とともに「状況が一変した」と話す。

一方で、旅行者が支出を抑えようとしている兆候も見られる。レストランでの食事を控え、レンタル物件のキッチンや屋外のバーベキューグリルを使って自炊する人が増えているという。

活気づくワールドカップ開催都市

ワールドカップの試合が開催される北米の大都市と同様に、ミズーリ州カンザスシティにもサッカーファンが押し寄せている。地元で小売店11店舗を展開する「Made in KC」の共同オーナーのキース・ブラッドリー氏は、大会期間中、全店舗で「客足が明らかに急増した」と話す。遠方からの米国人客よりも、車で3時間圏内の中西部の他の都市から訪れる米国人観光客の方が多いようだ。

地元のカフェ「McLain’s Bakery」の共同オーナーのモリー・ロスマン氏は「カンザスシティはワールドカップ開催都市の中では小規模な市場の一つだが、家族連れがワールドカップを体験する費用という点では、おそらく最も安く済む地域の一つだろう」と話した。

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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