米国観光促進団体ブランドUSAのフレッド・ディクソンCEOが来日し、日本市場の現状や今後のプロモーション方針などを説明した。今回の来日は、米国内の州・都市の観光局、観光施設、旅行関連企業など計36団体から48名の代表者が参加した「ジャパン・セールス・ミッション」に合わせたもの。米国への誘客に向けて、日本の旅行会社らと800件を超える個別商談やセミナーを実施した。
米国への日本人旅行者数は好調に推移している。米国国際貿易局・国立旅行観光局(NTTO)によると、2026年1~6月の日本人旅行者数は前年同期比5%増の約90万人。18ヶ月連続で前年同月を上回った。
オックスフォード・エコノミクスの観光専門部門「ツーリズム・エコノミクス」は、2026年通年では合計210万人に達すると予想。これが実現すれば、カナダおよびメキシコを除いた長距離市場からの訪米旅行者数は英国に次いで第2位に返り咲くことになる。
ディクソン氏は、円安傾向が続く中でも前年比増が続く要因について、「ゲートウェイ都市だけでなく、それ以遠の目的地のプロモーションがうまくいっている成果ではないか。また、米国にはさまざまな楽しみ方があることも日本人旅行者を惹きつける要因になっている」と説明した。そのうえで、今後、日本市場を牽引する層として新しい体験を求める「ラグジュアリーと若者」を挙げた。
日本市場への期待を語るブランドUSAディクソンCEO
グローバル・アンバサダー・プログラム10人を任命
ブランドUSAは、日本の旅行業界および一般消費者向けの取り組みも強化している。まず、旅行業界向けには、米国建国250周年記念として、世界の旅行業界から合計250人のアンバサダーを任命する「グローバル・アンバサダー・プログラム」を始動。日本からも、旅行会社・旅行関連会社から10人が選任され、東京で開催されたジャパン・セールス・ミッション期間中に正式に任命された。
アンバサダーには、旅行先としての米国の知識の普及や企画・販売の成功例の共有を通じて、日本の旅行業界内の知識向上を促しつつ、最終的にはアメリカ旅行への関心喚起に貢献してもらう。また、ディクソン氏は「アンバサダーから、日本の消費者が求めているものを吸い上げることで、ローカライゼーションされた施策を打っていきたい」と話し、双方向での役割に期待をかけた。
日本からもグローバル・アンバサダーが任命された
新たなコンテンツ・プロモーションを展開
一般消費者向けには、新たに米国への入国手続きの正しい情報を発信するプラットフォーム「Get Facts. Get Going.(正しい情報を得て、旅立とう)」をローンチした。ディクソン氏は、この取り組みについて「米国への入国に関して正しい情報を提供することで、米国旅行への不安や誤解を解消していく」と説明。ウェブサイト内に旅行業界向けの特設ページも開設したことから旅行会社や航空会社の活用も呼びかけた。
また、2025年10月から開始されている統合ブランドキャンペーン「America The Beautiful(アメリカ・ザ・ビューティフル)」では、新たに米国各地の魅力を訴求するコンテンツ・プロモーションを立ち上げた。「アメリカン・オリジナルズ」として、まずはモニュメントバレー、メンフィス、テキサス、ニューヨークのストーリーを動画で発信していく。その後も旅行トレンドに焦点を当てたコンテンツを増やしていく予定だ。
加えて、ブランドUSAは、日本市場では初となる屋外広告キャンペーンも開始。「America The Beautiful」サイトへの誘導を図る。屋外広告は東京駅、品川、大手町、渋谷、新宿など都内の交通拠点およびランドマークで展開し、新宿駅東口前の「クロス新宿ビジョン」では、アメリカ国立公園の壮大な景観を立体的に映し出す3D広告を掲出する。期間は2026年8月11日まで。
提供:ブランドUSA
このほか、ディクソン氏は、7月19日に閉幕したFIFAワールドカップ2026についても言及。「米国の魅力を訴求するショーケースになった」と評価しつつ、「これからが本番。この盛り上がりを一過性のものとせず、次の旅行需要に繋げていく」と力を込めた。
ブランドUSAでは、SNSで大会を盛り上げたたファンに向けて感謝を伝え、再訪を促すメッセージを発信。2028年のロサンゼルス・オリンピック・パラリンピック(LA28)、2031年のラグビーワールドカップとFIFA女子ワールドカップなどに向けて、需要喚起を継続していく。



