欧州観光連盟(ETOA)が日本市場の回復に向けて商談会、中欧4カ国への誘客強化、「環境にやさしい旅」など4つのテーマを提案へ

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欧州観光連盟(ETOA)は、Discover Central Europeおよびミキ・ツーリストとの共催で、BtoB商談イベント「Showcase Outbound Japan 2026」を開催した。あわせて、中欧4カ国(チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア)による共同ワークショップ「ディスカバー・セントラル・ヨーロッパ 日本 2026」も併催。来日した観光事業者と日本の旅行会社との商談が行われた。

ETOA(European Tourism Association)とは、欧州インバウンドおよび欧州域内観光を代表する主要な非営利のB2B業界団体。JTBやHISなど日本企業を含めたグローバル企業から地域の独立系企業まで1200以上の企業・団体が加盟している。また、Discover Central Europeは、中欧4カ国による共同プロモーションプラットフォーム。今回の日本向け事業は、欧州旅行委員会(ETC)が展開するVisit Europeとの協働で実施された。

日本市場の現状と重要性、長期的な回復に期待

ETOAのトム・ジェンキンスCEOは、日本市場を「設立当初から米国に次ぐ2番目に重要な市場であり、古き良き友人」と位置づける。現在、円安や物価高、中東情勢およびロシア領空制限に伴う航空運賃の高騰などにより、日本からの訪欧旅行は限定的な状況にある。しかし、日本人は消費額が高く、洗練された熱心な旅行者であることから、長期的には必ず回復すると見込んでおり、今の時期から継続的なアプローチを行う重要性を強調した。

Visit Europeマーケティング・マネージャーのルヴィディーヌ・デストレ氏も、中東情勢による航空ルート変更が一時的に影響を与えたものの、現在は正常化に向かいつつあると説明。猛暑による長距離旅行者への影響はまだ少なく、依然としてイタリアやスペインが人気を集めているが、長期的には一部地域への集中を緩和し、目的地を分散化させることが課題となっている。

ETOAのトム・ジェンキンスCEO

トリップ・ドットコムとの連携で中欧4カ国の魅力を発信

こうした「目的地の分散化」の受け皿として期待されるのが中欧4カ国である。ジェンキンスCEOは、中欧の魅力として「主要国に比べて混雑しておらず、未開拓の要素が多い点」を挙げる。プラハやワルシャワなど日本人の嗜好に合う豊かな歴史、芸術、建築が根付いているとしたうえで、「アクセスなどの課題はあるが、逆に言うとそれは機会とも言える」と話し、今後の誘客に自信を示した。

中欧への旅行者の総数はまだ途上であるものの、2025年のハンガリーおよびポーランドへの日本人旅行者数は前年比約30%増となるなど、高いポテンシャルを秘めているという。

Visit Europeでは、具体的なプロモーションとして、「カルチャーと音楽」というニッチなテーマに特化した日本人インフルエンサー3人を起用し、トリップ・ドットコムと連携した一般消費者向けのキャンペーンを展開。専用ページを通じた商品化も実施している。さらに、共感を生むSNS展開とともに伝統的な旅行業界向けのアプローチを並行して進めている。

Visit Europeのルヴィディーヌ・デストレ氏

今後の日本市場に向けて「4つのテーマ」

デストレ氏は「エンドユーザーの需要を実際の送客に繋げるため、日本の旅行会社やツアーオペレーターとの連携は不可欠」との認識を示す。日本旅行業協会(JATA)とのガストロノミーツーリズム・キャンペーンや、「ヨーロッパフェス」を継続開催することで日本の旅行業界との結びつきを強化していく方針だ。

また、Visit Europeは日本の旅行者に向けて、これからの欧州旅行における「4つのテーマ」を訴求していく。中欧など新しい目的地への誘客で地域の分散化を進めていくことに加えて、オフシーズンの誘客を強化することで時期の分散化による混雑緩和を図っていく。

また、自転車や公共交通機関、徒歩での移動による「環境にやさしい旅行」を推奨していく。デストレ氏はコペンハーゲンの環境に配慮した旅行者の行動に特典を与える「CopenPay(コペンペイ)」の取り組みを高く評価。さらに、「ラブ・ローカル(地域愛)」として、地元住民に迷惑をかけず、恩恵を還元していくマインドセットへの転換を啓発していく方針だ。

ジェンキンス氏は「日本特有の旅行トレンドとして、『ニッチで本物志向』の体験を求める傾向がある」と分析。ETOAとしては、今後の成長が見込める60代以上のシニア・夫婦層に対して、「20代のように旅をしよう」というメッセージを発信し、新たな欧州旅行のスタイルを提案していきたい考えを示した。

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