JTBが着地型旅行で一気にシェア拡大へ、体験予約サイト「アソビュー」に資本参加で5つ領域を協業

JTBは、着地型商品の開発・販売を強化する。このほど、遊び・体験の予約サイト「asoview!(アソビュー)」の運営会社アソビューに資本参加と業務提携を発表。発表の記者会見で、JTBグループ本社執行役員 旅行事業本部副本部長 古野浩樹氏(写真右)は「(今回の提携で)着地マーケットを席巻できるようにしたい」と意気込みを語った。古野氏によると、同社グループにおける2014年度の着地型商品の売り上げは約6億円。今回の提携を機に、2015年は25億円まで引き上げたい考えだ。  *写真左はアソビュー社の山野智久代表


JTBグループ本社執行役員 旅行事業本部副本部長 古野浩樹氏

古野氏は、「最近の傾向として土地ならではの体験や観光地に旅行者の興味が移っている」ことを協業にいたった経緯として説明した。今回の提携は、同社にとって不足していた体験・アクティビティ分野の商品数とノウハウを補完するもの。アソビュー社との資本提携で現在の商品コンテンツ数を一気に増やし、社内における商品開発力を共有する。

具体的に実践されるのは、ウェブ販売の相互連携や地域活性化に向けたエリアプロモーション、訪日外国人旅行者、法人・MICE分野、福利厚生サービスなど5つの領域。具体的な内容は以下のとおりだ。

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    ウェブ販売: 双方のウェブサイトへの双方の商品提供を行う。JTBの宿泊や着地型商品をアソビューで販売。アソビューの遊び・体験を「JTBホームページ」「るるぶトラベル」で販売する。

  • エリアプロモーション: JTBが従来行ってきた地方自治体や観光協会のサポート分野で、着地型コンテンツを活用してプロモーションを行ったり、JTB各地域事業会社とアソビュー社が連携して共同提案を行う。

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    インバウンド: JTBグローバルマーケティング&トラベルの「JAPANICAN.com」で、アソビュー社のコンテンツを外国人向けに販売。また、アソビュー社のコンテンツ開発力とともに着地型商品を共同開発し、世界に日本の新たな魅力を発信。

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    法人ソリューション: 企業向け研修、プロモーション事業の2つで連携。研修では、体験を活用した研修の開発、セールス強化。プロモーションでは、体験を活用したキャンペーン企画開発などを強化。ともに、アソビュー社のコンテンツ開発力を活用し、JTBの企業リレーションで提案していく。

  • 福利厚生サービス: JTBベネフィットの「えらべる倶楽部」サイトでアソビュー社のコンテンツを提供。オリジナルプランの開発など。

最近のJTBグループ各社では現地発着ツアーのオンライン販売に注力してきた。i.JTBが運営する「るるぶトラベル」では2015年3月から自社仕入れによる全国1500の現地発着ツアー「体験・観光プラン」を販売開始。JTBグローバルマーケティング&トラベルは、2015年2月から訪日旅行者向けアプリで各地の観光情報や予約・決済を可能にしてきた。こうした動きとともに、アソビュー社のコンテンツを補完することで、着地型商品の提供・開発の分野で「一気にボリュームを広げ、プラットフォームをおさえる(古野氏)」。

アソビュー代表取締役、山野智久氏

今回の資本提携の出資比率については、古野氏は「数億円、数%」で役員派遣などは含まない提携であることには言及したものの非公開。アソビュー社は、2015年に入ってから合計6億円の資金調達を実施しており、山野智久代表によるとJTBの出資はそのうちの「数億円」。今回の資本提携は独立性を保った形で、現在同社が他サイト(Yahoo!トラベルや4トラベル)と行っているコンテンツ提携は維持していくという。ただし、今後の他社との連携について山野氏は「リソースをすべてJTBに重点を置く」と話しており、JTBとの連携を最優先事項としていく方針だ。

同社は、「アジア最大の遊びプラットフォームを実現する」ことを目標にしており、今回の提携はJTBがもつ海外486拠点に魅力を感じてのことだという。将来的には「海外から海外へ」というグローバル展開を視野に入れており、JTBとの協業で拡大にドライブをかける。

なお、体験予約サイト「asobiew!」は2012年7月に運営開始。現在、全国2000以上の事業者との提携で、地域に根差したアウトドアレジャーや文化体験プログラムを300ジャンル、6000プラン展開している。2015年3月には、前身のカタリズムから現在のアソビューに社名変更。その理由を「アジア最大の遊びプラットフォームを実現するため」としている。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)


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