中国の景気減速などによる企業倒産件数、2015年度上半期は3割増の40件に ―東京商工リサーチ

東京商工リサーチはこのほど、2015年4月~9月期に中国の景気減速や商習慣の違いといった「チャイナリスク」の影響を受けた国内企業倒産状況を速報値として発表した。

それによると、チャイナリスクを原因とする企業倒産は前年比1.3倍増の40件(前年同期は30件)で、事業停止や破産準備中などの実質破たんは9件(前年同期は0件)となることがわかった。

産業別では、卸売業が全体の62.5%(25件、合計負債総額142億円)、次いで製造業が25%(10件、同61億円)。運輸業で2015年9月に民事再生法の提供となった第一中央汽船は1社で1196億円の負債となったほか、負債額が10億円を超える企業も10件(前年同期は1件)と急増している状況も明らかになっている。

産業別にみた倒産状況は以下のとおり。

東京商工リサーチ:報道資料より

また、破綻の原因としてもっとも割合が多かったのは「コスト高」が全体の75%、次いで「品質問題」が12.5%となっている。

東京商工リサーチ:報道資料より

今回の調査で使用した「チャイナリスク」関連の原因は次の6項目。

  1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
  2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
  3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
  4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
  5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
  6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)

「倒産」の対象とした企業は、負債額1000万円以上の法人企業のうち、「会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)」「手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)」「企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)」に該当したものとしている。


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