HISが中間予想を下方修正で赤字へ、テロの影響やハウステンボス入場の弱含みなどで

エイチ・アイ・エス(HIS)は2016年4月22日の取締役会で、2016年10月期第2四半期(2015年11月1日~2016年4月30日)の連結業績予想を下方修正と、特別損失の計上を決定した。これにより、前期実績(2015年中間期実績)からは減収減益となり、純損益は20億円の赤字となる見通しだ。

業績予想の修正は、売上高、営業利益、経常利益、純利益のいずれも下方修正とした。要因としては、燃油サーチャージの減額による減収(約130億円)のほか、2015年11月のフランス同時多発テロなどの影響により、収益性の高い欧州方面の取扱いが減少した。中国経済の減速による訪日客の購買商品の変化によるコミッション収入も減少傾向にあるという。

国内旅行でも雪不足によるスキーバスツアーの集客減や、ハウステンボスでの団体受注の弱含み、1月の大雪の影響による入場者数減少などが影響。また、最近の円高基調が続いた場合、為替差損が発生することも見込まれるとし、今回の発表値における経常利益にはその見積額を織り込んだ(約32億円、1米ドル110円で試算)。

また、特別損失の要因は、パナマ所在の連結子会社テンボスクルーズパナマの所有する船舶に収益性の低下による減損の兆候が認められたため。将来の回収可能性を検討した結果、同会計期間に現存損失35億800万円を特別損失として計上した。

以上の結果、今回修正した業績予想は売上高が2570億円(前回予想との差:190億円減、前期実績:2607億9800万円)、営業利益が83億円(27億円減、100億2900万円)、経常利益が51億円(69億円減、112億5400万円)、純損失20億円(同78億円減、純利益51億200万円)。

なお、通期の連結業績予想については、熊本地震による影響額も含めて現在精査中。公表すべき事項が生じた場合、速やかに開示するとしている。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…