JTBが電力販売を開始、観光事業者向けで地域内売り上げを観光財源としてDMOらに還元も

JTBグループで、コミュニケーションサービスを提供するJTBコミュニケーションデザインは、2017年5月1日から観光や宿泊、レジャー施設など観光関連の事業者を対象に電力販売を開始する。

同社は2016年6月3日に、小売電気事業者登録(登録番号A0306)を受けていた。まずは中部電力エリアを対象に開始し、順次エリアを拡大。2020年までに100億円の取り扱いを目指す。

同社では2016年4月から、営業体制と電力の使用予測、仕入れ、顧客管理などを行なう需給管理体制を内製化し、事業体制を構築してきた。小売電気事業者の登録後には、約130施設の電力利用状況をもとに電気料金の削減シミュレーションも実施。要望水準の削減率を示し、既に十数件の切替申し込みも受けている。

こうした需給管理ノウハウを活用し、地域の観光関連事業者の電気料金を削減。地域内での売上げの一部を観光財源として、その地域のDMOや観光協会など観光組織団体に還元する。

さらに、JTBコミュニケーションが宿泊施設向けコンサルティングで提供している集客プロモーションやデジタルソリューション、多言語対応、人財育成、採用支援、事業計画作成、財務分析などの各種ソリューションをあわせることで、導入にかかる費用を最大限軽減することを目指す。

発表資料より

JTBでは事業ドメインを総合旅行業から交流文化事業と進化させ、地域交流プロジェクトを全社戦略の大きな柱とするなか、「エネルギー」を地域交流の核となるキーワードと認識。地域の電力会社と連携を深め、観光産業をエネルギー面でも支援することが地域の観光産業の発展に繋がるとし、電気事業の活動を通して地方創生と観光立国の実現に貢献するとしている。

なお、観光協会や日本版DMOなど、観光関連組織を通じた観光財源還元モデルの導入事例として、既に、鳥羽市観光協会、志賀高原観光協会・旅館組合、阿智昼神観光局などがある。


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