出版流通大手「日販」がホテル事業に参入、箱根強羅温泉に本と過ごす「ブックホテル」開業

出版流通大手の日本出版販売(日販)が2018年春、箱根強羅温泉に「本に囲まれて暮らすように滞在する」をコンセプトとするホテル「箱根本箱」を開業する。

現地は、中強羅駅から徒歩4分の場所。ホテルの客室数は19室で、そのうち18室には温泉露天風呂付き。ホテル内には専門家がセレクトした国内外の書籍約2万冊を配置する。同社の保養所を全面改築するもので、施設内にはこのブックホテルのほか、書店、レストラン&カフェ、コワーキングスペースなどを開設する予定だ。

書籍の選定は、日販でブックディレクションを手掛ける新ブランド「YOURS BOOK STORE」が実施。国内外の新刊だけでなく、古書も含める方針だ。また、施設全体のプロデュースは、新潟県を拠点にライフスタイル提案型複合施設「里山十帖」を手掛けた株式会社自遊人が担当。同社のクリエイティブディレクターである岩佐十良氏が全体リノベーションの監修と各施設のディレクションをおこない、施設運営も自遊人に委託する。

同社では昨今の「本離れ」の風潮が、人間による創造性の欠如や文化継承の断絶につながるのではないかとの危機感を感じ、新たな「本との出会い」の在り方を検討。今回のホテル開業を、本を通じた新しいライフスタイルの提案につなげる考え。

なお、ブックディレクション事業をおこなうYOURS BOOK STOREでは、「人と本をつないでいく」をテーマに、複数事業を展開中。ブックホテル開業のほか、書店のリノベーション、移動式書店、野外読書活動支援などのほか、企業内図書運営事業では、ファーストリテイリングの社員向けライブラリー企画・運営をおこなった。

以下は、ブックホテルのイメージ。

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