東京都、ICT活用の戦略とりまとめ、観光系ではおもてなし分野で5年後に「スマートシティ」に

東京都はこのほど、「東京都ICT戦略」を発表した。東京都における情報技術(ICT)活用方針とともに、5年後の姿と施策について示したもの。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、最先端ICTのショーケースとなるべく事業を展開し、大会後にはその事業をレガシーとして、さらなるICT化を進める方針としている。

ここでは基本的な戦略の「柱」として、(1)都市機能を高めるに当たってICTを活用する、(2)データを活用する、(3)ICTを活用し、官民連携で行政課題を解決する仕組みを構築する、(4)民間におけるICT活用を後押しし、生産性向上・新価値創造を図り、東京・日本の成長につなげる、の4項目を設定。

これら「柱」にもとづき、「都民ファーストでつくる『新しい東京』 ~2020年に向けた実行プラン~」で示す3つのシティ(セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティ)ごとに施策展開の内容と5年後の姿を記載した。

具体的には、柱1「都市機能を高めるに当たってICTを活用する」では公共インフラや都民サービス全体を含む都市機能の向上を実現。ICTを活用することで、例えば行政手続きを24時間365日申請可能とする取り組みなどを目指す。

柱2「データを活用する」では、データを活用するにあたって重要なプライバシーや個人情報の保護、信頼性・安全性の確保などにも言及。都全体で活用する共通プラットフォームの構築も視野に入れながら、特定行政分野からの導入を進める計画とした。

柱3「ICTを活用し、官民連携で行政課題を解決する仕組みを構築する」は、行政におけるオープンデータ化を推進する一方で、民間がそのデータの有効活用できるアプリ開発に取り組むといった官民連携の仕組みづくりをおこなう。例えば公共交通データの活用やアプリコンテストなども進める。

柱4「民間におけるICT活用を後押しし、生産性向上・新価値創造を図り、東京・日本の成長につなげる」は、独力でのICT導入が難しい中小企業などに対して技術・経営面でのサポートを行うもの。また、製造業のみならず、農業などさまざまな産業を対象にしたICT活用の可能性を探る。

観光産業関連では、これらの施策を進めることで、ICT活用を通じたおもてなしが可能な「スマートシティ」を5年後の姿として設定。デジタルサイネージや通信環境の向上に加え、クルーズ客船ふ頭周辺での輸送の円滑化、多言語対応が可能な救急活動体制の構築などを予定。現在進行中の「おもてなしクラウド」やロボット、AR(拡張現実)などを通じた実証実験をさらに進めていく。

さらに、IoTやロボット、ドローンなどを活用した公共インフラの維持管理や防犯活動にも役立つ体制を整えた「セーフシティ」の実現を提起。また、介護や労働、保育、教育など多岐にわたる場面でもICT活用による機能強化をおこなうことで人々の多様性に対応できる都市「ダイバーシティ」実現を目指す。

「東京都ICT戦略」で示された「4つの柱」と「3つのシティ」の関連イメージは以下のとおり。

東京都:発表資料より東京都ICT戦略全文(PDFファイル、55ページ)

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