デジタル技術がもたらす「第四次産業革命」、日本企業で活用に「自信あり」はわずか3%  ―デロイト トーマツ

デロイト トーマツ グループはこのほど、第四次産業革命に対する日本企業の準備状況について調査結果を発表した。「第四次産業革命」とは、世界経済フォーラの年次総会「ダボス会議」でも議論されているテーマ。IoTや人工知能(AI)をはじめとするデジタル技術を通じて、新製品やサービス、新たな仕事やビジネスモデルが創出される時代と機会を意味する。

調査によれば、企業幹部が第四次産業革命に期待する割合は日本企業の91%で、世界の87%とほぼ同割合となった。一方、その機会を十分に活用することについて「大変自信がある」日本企業はわずか3%で、世界の結果(14%)とのかい離がみられる結果になった。

また、日本では自社が多大な影響を与えうる課題領域としては、「顧客への最良の製品/サービスの提供」(日本79%、全世界60%)、「短期的または、長期的な財務成績の向上」(短期的:日本35%・全世界25%、長期的:日本45%・全世界36%)といった従来の役割に言及する回答が多数。

一方で、市場や教育、環境といった社会的課題に影響を与える可能性に関する認識は、世界と比較して低レベルに留まることが分かった。特に、公正で開かれた市場の実現に向けた改革の推進」(日本9%、全世界24%)、「商品・サービスへのアクセス向上や低価格化などを通じた未充足ニーズへの対応」(日本14%、全世界19%)など、日本企業の幹部は、市場環境の改善につながる機会とみる割合が他国よりも低い傾向が顕著だった。

「自社が多大な影響を与えうる課題領域」についての回答は以下のとおり。

デロイト トーマツ:報道資料より

日本の経営幹部が最も頻繁に議論したテーマをみると、多い順に「市場変化への迅速な対応」(日本76%、全世界49%)、「生産性向上」(日本70%、世界56%)、「新製品・サービスの開発」(日本51%、全世界57%)。世界の傾向と比較すると、「最新テクノロジーの組織全体への導入」(日本35%、全世界42%)、「サイバーリスク対応」(日本26%、全世界30%)、「他社の優位性の攪乱・無効化」(日本12%、全世界24%)、「人材採用・育成」(日本2%、全世界17%)などの項目で、日本の割合が小さいことが分かる。

デロイト トーマツではこれら結果について、日本では従来のビジネスモデルの延長戦にあるテーマにフォーカスした議論が中心となっていると分析。世界と比べると、第四次産業革命を見据えた根本的なイノベーションの創出や、新たな競争をリードしようとする姿勢・発想が相対的に乏しいと考察している。

この1年で最も頻繁に議論したテーマは以下のとおり。

デロイト トーマツ:報道資料より

この調査は、米国、アジア、欧州19か国の経営幹部職(Cレベル役員)1603名を対象に実施したもの。日本からの回答者は100名。調査時期は2017年8月。

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