一棟貸し民泊「ホームアウェイ」、楽天らと「古民家」物件の再生・活用で連携、新法施行へ新たな仕組み構築も

世界2大OTAエクスペディア傘下で一棟貸しバケーションレンタルサイトを運営するホームアウェイ、古民家再生を手がける全国古民家再生協会、民泊サイトの運営および管理代行サービスを展開する楽天LIFULL STAYの3者は、古民家をバケーションレンタルとして再生・活用することを目的とした業務提携を行った。今後、3者は古民家をバケーションレンタルのための物件として活用することで、 国内外の旅行客に向けて古民家や地域の魅力を発信し、 長期滞在してもらうための取り組みを強化していく。

ホームアウェイ日本支社長の木村奈津子氏は会見で、「安心安全を担保したうえで、日本の文化体験である古民家をホームアウェイのグローバルなネットワークを生かして発信していく」と発言。現在全国には約128万戸の古民家があり、そのうち約64万戸が再生可能とし、「2018年は30戸を再生し、リストに載せたい」との目標を明らかにした。

ホームアウェイが実施した調査によると、日本旅行でバケーションレンタルを望む外国人の割合は74%のぼり、古民家での宿泊を希望する外国人も、アメリカ、フランス、イギリスなどでは80%近くになるものの、訪日ファミリーやグループが日本で宿泊施設としてバケーションレンタルを利用した割合は現在のところ9%ほどにとどまることから、「成長の潜在性は高い」と自信を示した。

ホームアウェイ日本支社長の木村奈津子氏

全国古民家再生協会事務局長の井上幸一氏は、質の高い古民家を提供していくために新たに「古民家宿泊鑑定」を作成したことを紹介。古民家鑑定士によって、耐震性、気密性、快適性など20項目がチェックされ、宿泊施設として利用できる古民家を認証するもので、「これによって、宿泊施設としての安心安全を担保していく」(井上氏)。この認定ロゴはホームアウェイと共同で制作したが、他の民泊プラットフォームでの利用も可能とする。

古民家宿泊鑑定ロゴ

また、全国的な古民家ネットワークを築いていくため「古民家オーナーズクラブ」も発足させる。これは、一軒の古民家を複数名で共同所有するもので、オーナーは1週間単位で宿泊することができ、共同所有する別のオーナー物件での宿泊も可能にしたうえで、不在時には民泊として貸し出す仕組み。

同協会が手がけた古民家第一号は福岡県うきは市の物件。3者での共同事業は茨城県古河市の物件が最初になる。井上氏は「今後も自治体との連携で良質な古民家を発掘していきたい。空き家対策だけでなく、地方の古民家再生で地域再生にも貢献していく」と意欲を示した。

全国古民家再生協会事務局長の井上幸一氏

一方、楽天LIFULL STAYは、古民家再生の開発支援とバケーションレンタルの運用代行を行う。同社社長の太田宗克氏は、同社民泊サイトVacation Stayの運営だけでなく、物件開発や民泊運用代行サービスに注力していると説明。空室管理、イールドマネージメント、24時間のオーナー対応、清掃業やアメニティーの手配などを提供することで、「均一な質を持つ民泊施設を提供していく」と強調した。

なお、ホームアウェイと楽天LIFULL STAYは昨年7月、インバウンド集客を目的とした業務提携を締結。今年6月15日からの住宅宿泊事業法施行と同時にVacation Stayの国内民泊物件がホームアウェイにも掲載されることになる。

楽天LIFULL STAY社長の太田宗克氏提携による3者の役割

民泊新法施行に向けて認可情報の入力呼びかけ

このほか、ホームアウェイの木村氏は、住宅宿泊事業法施行に向けた同社の取り組みについて言及し、これまでに対応セミナーを東京、大阪、京都で開催したほか、行政書士グループと提携することで、新法、特区、旅館業それぞれでの申請代行を進めていると説明。このほかにも、公式プログやメールマガジンなどで新法の周知を広めるとともに、同社サイトにすでに掲載されている物件に対しては、許可情報の入力を呼びかけ、不足がある場合は注意を促すアラートを発信する仕組みを構築しているとした。

また、会見には観光庁観光産業課民泊業務適正化指導室長の波々伯部信彦氏が登壇。住宅宿泊事業法の枠組みを解説するとともに日本での民泊利用状況について説明した。現在のところ、訪日外国人の民泊利用は東京、大阪、京都などが中心で地方での利用は進んでいないとしたうえで、「民泊利用者は平均して滞在日数が長く、消費額も大きいため、今後地方での利用が進めば、地域活性化にもつながる」とコメント。体験型旅行としての受け皿、地域資源の有効活用としても民泊の経済効果は大きいと期待感を表した。

観光庁民泊業務適正化指導室長の波々伯部信彦氏

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