【続報】楽天、民泊ホームアウェイとの提携で地方の開拓を強化、“民泊コンサルタント”配置や周辺事業との連携も視野に

楽天が不動産情報サービスのLIFULL(ライフル)と設立した民泊事業会社LIFULL STAY(楽天ライフル)は、2017年7月3日付でエクスペディア・グループのバケーションレンタル・HomeAway(ホームアウェイ)と業務提携を行なった。インバウンド集客を目的とするもので、国内の民泊物件の開拓から集客、販売を両社が協力して行なう。

具体的には、楽天ライフルが民泊新法(住宅宿泊事業法)施行と同時に開設する民泊仲介サイト「Vacation Stay(バケーションステイ)」の国内民泊物件について、同日からホームアウェイにも掲載。ホームアウェイは民泊予約に関する旅行者属性や宿泊傾向などのマーケティングデータを提供する。両社が業務提携についての記者会見を行った。

今回の提携では、このデータをもとに楽天ライフルが民泊物件を開拓。ホームアウェイでは、グローバルから集客するためのマーケティング活動を行なう。また、ホームアウェイへの物件掲載を通じてエクスペディア・グループの他のサイトにも掲載され、集客が一気に広がる可能性もあるという。

楽天ライフル代表取締役社長の太田宗克氏は業務提携にあたり、特に同社が民泊による地方活性化を重視する姿勢を強調。地方の空き家の利活用と、それによるリゾート的な物件の創出に取り組む方針で、「一棟貸しに強みを持つホームアウェイは、すでに地方やリゾートへの送客で強いパワーを持つ。我々の方向性と親和性が高く、両社の取り組みでインバウンド推進と地方活性化に寄与できる」と提携の意図を語った。

一方、ホームウェイ日本支社長の木村奈津子氏は、国内の民泊物件の在庫獲得を提携理由のひとつにあげた。ホームアウェイのユーザーにも日本は人気だが、世界200万件以上の登録物件のうち日本の物件数は1万件弱。同社は2016年に日本支社を設立したばかりで「物件数は限られているため、集客数に限りがある」といい、提携による在庫供給で、外国人ユーザーのニーズにこたえ、日本への送客拡大に期待を示す。また、楽天ライフルの不動産加盟店ネットワークと地方自治体とのネットワークにも魅力を感じたという。

そのほか、ホームアウェイに供給する物件の内容や仲介料など、詳細な提携内容については、サービス開始日に向けて両社で詰めていく。

記者会見時のプレゼンテーション資料

民泊の開拓に楽天のノウハウ活用、観光産業の底上げへ

楽天ライフルの太田氏は先ごろの同社設立会見で、掲載物件数について、ライフルの不動産情報サイトの掲載数800万件に対し、将来的に5~10%(約40万~80万件)の転換を目指す意向を示している。今回は特に地方での物件開拓を強化する姿勢を見せたが、目標値は設けていないとしながらも「地方と都市部は半々が理想」との考えを示した。

物件開拓に際しては、楽天の会員基盤やライフルの不動産情報、不動産店ネットワークのほか、ライフルが国土交通省の採択事業として構築する空き家・空き地バンクの情報集約プラットフォームとも連携。民泊への転換に伴うリノベーションや運用の代行などをセットとする包括的プログラムも作成する。

さらに、楽天が物販やトラベル事業で「出店者に寄り添って商品を作ってきたのが楽天の強み」と述べ、そのノウハウを横展開した“民泊コンサルタント”のような人材を配置する体制整備の構想も明かした。

また、地方への送客や旅行の全行程を考えれば、移動や民泊以外での滞在なども必要になってくる。これらについての取り扱い意向を質問したところ、太田氏は「民泊物件を出すだけではなく、アクティビティや交通など民泊の体験を魅力的にする周辺事業を包括的に取り組むことは考えたい」との意向を示した。

太田氏は、同社事業について「宿泊の選択肢の拡大だけではなく、宿泊需要や観光産業全体の底上げに繋がる活動にしたい」とも言及。民泊以外の宿泊施設についても、「線引きは、我々としては考えていない。協業できる道など、話し合いをしながら様々な可能性を考えていきたい」とも語った。


取材:山田紀子

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