夏休み旅行予測2017、海外旅行3.4%増、方面別では欧州8%増、オセアニア3.7%増 ーJTB調べ

JTBは「2017年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向」で、同期間に1泊以上の旅行に出かける総旅行人数が前年比0.8%増の7733万人となる見通しを発表した。国内旅行は0.7%増の7460万人、海外旅行は3.4%増の273万人との推計。昨年はマイナス遷移だった国内旅行が今年は増加に転じたほか、海外旅行は1969年の調査開始以来、過去2番目に好調な数字となる見通しだ。

総旅行消費額は5.2%増の3兆2269億円、景気の緩やかな回復で支出意向が上昇傾向に

夏休みの旅行費用の見込みは、国内が2.1%増の3万4400円、海外が11.9%増の24万2000円。これによる総旅行消費額は、国内が2.8%増の2兆5663億円、海外が15.7%増の6606億円、全体では5.2%増の3兆2269億円。昨年は国内外いずれも落ち込みを見せたが、今年は増加に。特に海外旅行は2ケタ増で好調となる見通しだ。

同社が6月に実施した今後の旅行支出に関する意向調査では、「支出を増やしたい」(18.3%)が前年より3.5ポイント増加し、「支出を減らしたい」(24.3%)は2.9ポイント減少。また、日並びの良さに加えて働き方改革推進や労働環境の見直し推進などの影響もあり、昨年夏より遠方へ旅行したいという回答も5.3%ある。

2017年夏季の大手企業ボーナス平均額は5年ぶりに前年を下回ったことで、家庭の節約傾向は継続しているものの、国内全体の景気が緩やかな回復基調にあり、株価も安定傾向に。さらに有効求人倍率が5月にバブル期のピーク(1990年7月)を上回るといったことなどが、心理的に旅行消費に積極的になる背景にあるとみられる。

今後の旅行支出に対する意向は以下のとおり。

JTB:報道資料より

海外旅行の動向 ―長期休暇を取りやすい日並びで欧米など遠距離が好調に

JTBの企画商品の予約状況では、海外旅行の出発のピークはで8月11日と12日。方面別では、アジアが前年比2.0%増、欧州が8.0%増となる見込み。昨年よりも長い休暇を取得できる日並びのため、欧米などの遠距離が好調となり、相対的にアジアの割合が縮小する見通し。地域別では北欧やドイツ、スペインが好調なほか、カナダやオセアニアへの人気の高まりもみられる。

方面別の海外旅行人数推計値は以下のとおり。

JTB:報道資料より

国内旅行の傾向 ―LCC路線の拡充で北海道や近畿圏が人気に

予約状況によれば、国内旅行の出発日のピークは8月11日から8月15日。利用交通機関では飛行機が前年比2.8%増の17.3%となり、遠距離旅行の増加傾向がみられる。特にLCCの路線が拡充した北海道やユニバーサル・スタジオ・ジャパンのる近畿圏が人気となっている。

アンケートによれば、宿泊施設では、ホテルへの宿泊が前年比3.5%増の46.2%と約半数を占める。次いで旅館が0.4%増の26.4%、実家・知人宅が0.7%減の26.6%だった。

旅行の目的の最多は、「帰省、離れて住む家族と過ごす」(0.4%増の19.8%)。一方で、「テーマパーク・レジャー施設」(4.1%増の13.4%)、「史跡や名所を見る」(2.1%増の7.5%)が増加傾向がみられたという。

方面別の国内旅行人数推計値は以下のとおり。

この調査は、JTBグループの販売状況と航空会社の予約状況、業界動向、経済動向、1200人のアンケートから推計したもの。アンケートは6月2日~14日、全国200地点で専属調査員による個別訪問調査として実施した。

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