世界の旅行需要予測2019、出張旅行からホテル・航空・クルーズなど業界別展望まで ―スキフト予測【外電】

改めて2018年の旅行マーケットを振り返ると、色々あったものの、成熟市場から新興市場まで、世界全体がとても順調に成長を遂げた一年だった。

2019年はどんな一年になるだろうか。スキフトでは、最新版の調査レポート「Skift Global Travel Economy Outlook 2019」をとりまとめ、2018年の総括と、米国およびグローバル旅行市場に関する詳細な予測を発表している。ツーリズム産業、海外旅行者数、法人旅行の予測数値から、ホテル、航空会社、OTA、クルーズなど業種別の展望まで、様々な角度からの予測を行った。

以下に、同レポートの一部を抜粋し、グローバル経済の成長率と、海外旅行者数に関する予測を紹介する。

※この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」に掲載された英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

全般的には、2019年もここ数年と同様、力強い経済成長が続くというのが我々の見方だ。もちろん、これまでとは異なる状況もあるが、景気は手堅く、旅行業界には追い風となる。世界経済は10年連続で拡大を続けているので、「そろそろ(成長曲線の)頂上あたりまで来たのでは?」と不安を覚えるのも当然だが、不景気というのは、特定年数のサイクルに沿ってのみ起きるものではない。主要な指標がポジティブな数字を示している限り、加えて世界経済を揺るがす大事件に見舞われない限り、2019年もふたたび安定成長の年となる。

2018年は「楽観ムード」が成長を後押し

全体的には、2017年末に予想していた楽観的な見通しそのままに、かなり好調に推移した一年だった。グローバルGDP成長率は、2017年とほぼ同じ、約3.7%増となった模様だ。先進諸国の経済成長率は、当初予想を上回り、新興市場や途上国の景気も、引き続き、非常に好調だった。

グローバル実質GDP成長率(2018年は予測値)

2018年の旅行市場

2018年は、旅行市場にとっても、好景気が続く一年だった。世界全体での海外旅行者数は過去最高を更新する見込みで、成長幅も大きい。現在、数値が確定しているのは、2018年9月実績までだが、同9カ月の海外旅行者数は、前年同期比5%増の11億人。地域別では、アジア太平洋の成長率が最も高く同7%増。一方、最も低かったのは南北アメリカで、同3%増だった。

第1~3四半期の数字は、通常、年間合計の4分の3ほどに相当する。推計すると、2018年の海外旅行者数(到着ベース)は14億人前後に達したと予想している。

2019年のグローバル経済の展望は?

さて2019年。大筋では、2017年や2018年の流れのままに安定成長が続き、グローバル実質GDPの成長率は、過去2年と同じく3.7%増との予測だ(IMF統計)。新興市場および途上国の景気は好調で、特にインドや中東など、エネルギー資源の輸出国の経済は力強い。これに対し、米国、中国、日本、欧州、英国では、昨今の貿易政策や景気の軟化により、弱含みでの推移が予想され、新興市場におけるプラス成長の勢いをそぐことになりそうだ。

2019年の経済成長率は、先進国では失速が予測されるものの、新興市場および途上国では、経済成長の勢いは続く。この結果、世界全体での経済成長率は、2018年と同レベルに落ち着く。

実質GDP成長率

2019年のグローバル旅行市場は?

経済成長の安定は、2019年の旅行市場にとって好材料だ。海外旅行者数は、ふたたび過去最高記録を更新し、旅行・観光産業は今年もグローバルGDPを押し上げるだろう。グローバルビジネストラベル協会(GBTA)は、法人旅行の出費額について、成長率が鈍化すると予測しているが、上場ホテルチェーン各社は、2019年も「このままのペースで前進する」と楽観ムード。クルーズ各社では、2019年の予約状況と価格はどちらも絶好調。航空会社も、旅客増とアンシラリー収入の拡大が期待できそうだ。例年のことだが、不安材料は価格の値下げ競争と燃料費の動きだ。

世界的なeコマースへの移行は今年も進み、オンライン予約サイトにとっては追い風となるが、「大数の法則」によって、宿泊予約数の伸び率は鈍化が必至。最大手のグローバルOTA各社は、あらゆる旅行商品をそろえたフルサービス・プラットフォームを目指す戦略を継続する。

UNWTO(国連世界観光機関)の「Tourism Towards 2030」レポートによると、2020年および2030年までの達成目標としていた海外旅行者数は、それぞれ13億6000万人と18億人。しかし我々の推計では、2018年の段階で、すでに海外旅行者数は14億人に達したと想定され、2020年の目標値14億人は、もはや低すぎる。当社では、2019年の海外旅行者数は5%増の15億人前後に至ると見込んでいる。続く2020年は16億人。2030年については、UNWTO予測と同じく18億人と予測している。

※編集部注:本記事原文が発表されたのち、UNWTOは2018年推計を発表。2年前倒しで海外旅行者数は14億人に達したとしている。

海外旅行者数の推移

詳細調査レポート全文(英文、有料)は以下から入手できる。

※編集部注:この記事は、米・観光專門ニュースメディア「スキフト(skift)」に掲載された英文記事を、同編集部から承諾を得て、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

※オリジナル記事:Expect Solid Year of Growth for Travel in 2019: New Skift Research

著者:レベッカ・ストーン氏(Rebecca Stone)、セス・ボルコ氏(Seth Borko)

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