一流宿泊予約「リラックス」が仕掛けるインスタグラム戦略、その活用術を聞いてきた

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一流宿泊施設の予約サービス「Relux(リラックス)」は、SNS戦略のひとつとしてインスタグラムに力を入れている。自社アカウントへの投稿だけでなく広告も展開。インスタライブやフォロワーから質問を募集できる質問スタンプなどの機能を駆使して、顧客とのコミュニケーションやブランディングを積極的に仕掛けている。その活用術とは。インスタグラムを効果的に使うコツを執行役員 兼 マーケティング統括部長の宮下俊氏に聞いてみた。

テーマ別に集中投稿でアカウントに統一性

リラックスは2018年から本格的にインスタグラムに力を入れ始めた。現在のアカウントのフォロワー数は約23万人。その増加ペースは加速しており、宮下氏は「PDCAがうまく回っている」と手応えを示す。

フォロワー数をさらに増やしていくために、異業種のインスタグラムをベンチマークしながら、さまざまな取り組みをしている。

インスタグラムの特性からページの見栄えに気を使っているほか、テーマをまとめて投稿する工夫も続けており、「たとえば、雪見風呂、ラグジュアリーなホテルラウンジなど、あるテーマを集中的に投稿することで、アカウントのページに統一性が生まれ、フォローの確率も高まる」という。好まれる写真については、広角に開けた写真や夕日や朝焼けの写真のエンゲージメントが高まりやすいようだ。

リラックスは、SNSやメールマガジンの制作のために毎週一回編集会議を行い、2週間先の投稿までは決めている。こだわりは、「『リラックスが話している』というトーンを出すために、すべてのメディアで口調やテキストのテイストを統一している」ことだ。ユーザーがインスタグラムで旅行の情報を探す行動が一般的になっているなかで、宮下氏は # の活用法について、「単純にフォローが多い#に乗っかるのは意味がないのではないか。大切なのは、旅行に興味を持っている人が探しやすそうなもの、投稿内容とマッチしたものに#を付けることだと思う」と指摘する。

Relux 執行役員兼マーケティング統括部長 宮下俊氏

ストーリーズ登場で投稿内容に変化、インタラクティブな機能も有効活用

インスタグラムといえば、「映える」写真の投稿が重要とされてきたが、宮下氏はストーリーズの登場によって、その傾向が変化しているという。「あまりかしこまらず、気軽に投稿ができるようになり、顧客との距離感が縮まった気がする」。リラックスでは、それまで投稿用の写真はプロのカメラマンを使っていたが、ストーリーズでは営業マンがスマホで撮った動画を上げることもあるそうだ。

ストーリーズの投稿動画は24時間で消えてしまうが、リラックスでは、反響がよかった投稿については「Relux日記」「Q&A」などテーマ別にハイライトを作り、プロフィールから見返すことができるようにしている。

また、「インスタライブ」機能を使い、メンバーがおすすめの宿などを紹介する取り組みも開始。「これまでとは異なるカジュアルな目線でコミュニケーションできるので、ユーザーからの反響もいい」という。さらに、「質問スタンプ」機能も有効活用。ユーザーからの質問を受け付け、後日回答するもので、たとえば「女子旅におすすめの宿は?」「2万円以下でラグジュアリーに泊まれる宿は?」などの質問に応える。宮下氏は「顧客の具体的にニーズが分かる」と、その効用を評価。インタラクティブなコミュニケーションによって、リピーターの維持や新規顧客の獲得に役立っているとする。

広告戦略は会員登録からブランディングに変化

リラックスは、アカウントでのコミュニケーションのほかに、顧客接点を強めるために広告も展開しているが、その目的は初期と現在とでは変化しているという。「当初は会員登録の獲得を目的としていたため、旅行に興味を持っている層にターゲットを絞って広告を配信していた」が、リラックスの認知度も高まってきたことから、「新規顧客獲得のためのブランディングにカジを切った」。

リラックスは一流宿泊施設の予約という認知だが、現在は安価でも満足度の高い施設も取り扱っている。宮下氏は、そうした需要に対しても「インスタグラムの広告はカジュアルなアプローチが可能なので親和性が高い」と手応えを口にする。

宮下氏は今後のインスタグラムの活用について、インスタグラム上でのeコマース機能に将来性があると言及。「投稿された商品をそのまま購入する流れが旅行でも来るのではないかと思っている」とし、それに向けてユーザーとの接点をしっかり作っていく方針を示した。また、ユーザーの利便性の観点から、ホテル、旅館、グルメなどテーマごとにアカウントを分けることも検討していく考えだ。

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