クルーズ旅行が身近になる東南アジア周遊の客船に乗船してきた、現役世代も楽しめるゲンティン「ドリームクルーズ」の魅力とは?

かつて、クルーズ旅行といえば高価で手に届かない憧れの存在だった時代があった。しかし、それは昔の話。今や日本をソースマーケットとするクルーズ客船が日本発着や日本寄港クルーズを運航し、販売チャネルも専門旅行会社だけでなく、オンラインやテレビ通販など様々に拡充。価格的な選択肢が広がり、消費者にとって身近な存在になりつつある。特に、クルーズで海外に行く旅行者の数は前年比9.1%増の21万5000人となり、日本人の海外旅行者数の伸び(6.1%増)を上回る勢いで成長している(いずれも2018年の数字)。

アジアを拠点とするゲンティンクルーズラインは従前から、カジュアルクラスの「スタークルーズ」で日本でも身近な存在だった。そして、2015年に日本にゆかりのあるラグジュアリークラスの「クリスタルクルーズ」を傘下に収め、2016年に同社初となるプレミアムクラスの「ドリームクルーズ」を就航すると、日本での注目度がさらに向上した。気軽に行きやすいが、いつもとは違う旅行が楽しめるドリームクルーズに実際に乗って体験してきた内容をレポートする

クルーズだからできる旅行形態

働く世代にとって、旅行をするための大きな障壁の一つが、休暇の取得。連続の長期休暇はなかなか取りにくいが、今回参加したドリームクルーズのシンガポール発着クルーズの場合、東南アジアを3か国周遊する旅行に、平日3日間の休暇取得で参加できる。

このクルーズは、日曜日の夜にシンガポールを出港し、月曜日にマレーシアのペナン、火曜日にタイのプーケットに寄港して、翌水曜日の夕方にシンガポールに帰港する3泊4日のコース。これにあわせるフライトは羽田発着の深夜早朝便を利用すれば、クルーズ出港前にシンガポール観光も楽しめる。

こんなに効率のよい周遊旅行ができるのは、クルーズが“移動するリゾートホテル”だからこそ。船上のプールデッキで寛ぎ、スパでマッサージを受け、夕食やショーを楽しんで客室のベッドで就寝している間に、船は次の寄港地へと移動するので、日程に無駄がなく、旅行者の疲労も少ない。クルーズは、リゾート滞在をしながら日替わりで別の観光地が楽しめる、他に類のない旅行形態だ。

コストや休暇日数の都合でアジアの周遊旅行は一般的ではなくなっているが、体験してみると、それぞれの文化の違いが際立って感じられて興味深い。写真左上:プーケットに寄港したゲンティンドリーム。右上:シンガポールの定番観光スポットを一緒に、左下:ペナンで栄華を極めたプラナカン、右下:ペナンの新しい文化・壁画アート

だからクルーズでは、船の施設やサービス、雰囲気が、旅行の体験や印象を決める大切な要素になる。

今回乗船したクルーズ客船「ゲンティンドリーム」は、15万1000トンを誇るドリームクルーズの旗艦船。大型の船内には1674室の客室のほか、無料・有料あわせて35のレストラン・バーや、西洋式とアジア式の2つのスパ、プール、エンターテイメントを提供するシアターなど、リゾートステイが楽しめる多彩な施設が揃う。

しかも、レストランではセレブリティシェフのマーク・ベスト氏が監修する洋上初のレストランや、シャンパンバーとスコッチ・ウィスキーのジョニーウォーカーハウスなど特別な5つのバーを集めた「バーシティ」など、プレミアムクラスらしい質と趣向を感じさせる施設も多い。

さらにドリームクルーズでは、スイート客室専用のフロア「パレス」も設定。レストランやプール、ラウンジなど、それぞれ専用の施設を設け、24時間対応のバトラーが1:1のサービスを提供する。

こうした船のサービスやプログラムのどれを楽しむかは、旅行者次第。一緒に旅行をする同行者でも、それぞれが思うままに行動して、食事の時に顔を合わせるだけという旅行がしやすいのも、クルーズの良さの一つ。

船内では、WiFiパッケージが販売されているので、メールチェックをしたり、家族旅行でみんなが遊んでいる間の1時間だけ、ワーケーションさながら仕事を済ませてしまう、ということも可能。乗客同士なら、ドリームクルーズの船内アプリでメッセージのやりとりが無料でできるので、再集合の連絡もしやすい。自分好みの休暇を過ごしながら、同行者との旅行もバランスよく楽しめるのは、個の時代といわれる今の旅行者に提案したい一つの旅行スタイルといえるのではないか。

船内アプリでは、乗客同士のメッセージ機能も。WiFiパッケージの販売から、その日のプログラムを自分用に組み立てられるスケジュール表もあり、船内での消費額の確認も可能。最終日に同アプリから、クレジットカードで決済が可能

アジアンホスピタリティのクルーズ

さらに、ドリームクルーズらしさといえは、アジアのクルーズであること。船内にはところどころで、アジアを感じる場面に出会う。インテリアなどのデザインはもちろん、ブッフェでは、ムスリムのハラルはもちろん、インドのヒンズー教やジャイナ教に対応したメニューが用意されたコーナーが、アジアの多様性とグローバルなクルーズラインであることを印象付けた。そのほかのレストランやバーでも、アジアのローカルメニューを出すことも多く、船内にいながらアジアを旅行している雰囲気が伝わってくる。

このほか船内で注目したいのは、設計やインテリアから得られる船内空間の快適性。天井が高く、スペースが大きく取られており、今回のクルーズはほぼ満船であったのにもかかわらず、パブリックエリアにはいつもゆとりが感じられた。ラウンジやバーのソファやダイニングのイスやテーブルの手触りや質感が良く、客室のベッドでは、毎晩のように熟睡。こうした当たり前のように感じる充足感が、ドリームクルーズの品質を実感させるのだろう。

勢い止まらないクルーズ市場への投資

世界のクルーズ会社が加盟する業界団体・クルーズライン国際協会(CLIA)によると、2018年の世界のクルーズ旅行者数は前年比6.7%増の2850万人に拡大。2019年は世界で少なくとも18隻の新造船がデビューする予定で、クルーズ旅行者数はいよいよ3000万人に達すると、さらなる成長を予想する。

衰え知らずの市場拡大ムードの中、ゲンティンクルーズラインも拡張基調で展開。特にドリームクルーズに注力し、先ごろにはスタークルーズの旗艦船「スーパースター・ヴァーゴ」を61億円を投じて大幅にリブランドし、ドリームクルーズ3隻目の「エクスプローラー・ドリーム」として就航した。今秋には7泊8日のニュージーランドクルーズに配船し、アジア以外でのグローバル運航を開始する。

さらに2021年には、「ゲンティンドリーム」を上回る20万トン級の大型客船の就航も発表。同船では、家族旅行のニーズが強まるなかで、1室4名利用が可能な客室を多く設定し、最大乗員定員は9500人と世界最大とする計画だ。あわせて船内では、音声・顔認識などのデジタル技術を用いて、新たなクルーズ体験も創出する予定。次世代クルーズ客船の新たなクルーズスタイルに期待したい。

取材協力:ゲンティンクルーズライン


取材:山田紀子

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