ANA連結決算は増収減益、国際・国内とも収入増も、LCCは日韓関係や香港デモの影響で減収 ―2020年3月期第3四半期

ANAホールディングスが発表した2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)第3四半期の連結決算によると、売上高は前年比0.9%増の1兆5821億円、営業利益は同23.6%減の1196億円、経常利益は同20.5%減の1225億円、四半期純利益は同19.1%減の864億円で、増収減益となった。前年同期も増収減益で、利益の2割減も3期連続のこと。

米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の冷え込みなどにより、国際線貨物の需要が低迷したが、第3四半期(10月~12月)では台風19号の影響を受けたものの、堅調な国内線旅客需要や国際線ネットワークの拡大によって、航空事業の売上高は前年同期を上回った。一方、安全・品質サービスの更なる向上や今後の首都圏空港の発着枠拡大に備えて、人件費、機材費、整備費などが増加したことから、営業利益は前年同期を下回る結果となった。

国際線:ビジネス需要は弱含みの一方、ハワイ線でのA380投入で旅客数、収入とも増加

国際線旅客では、日本発ビジネス需要の弱含みや中国線の競争激化による影響を受けたものの、欧州線、アジア・オセアニア線のネットワーク拡大やハワイ線へのエアバスA380型機の投入などにより、旅客数・収入ともに前年同期を上回った。

国際線の旅客収入は同2.3%増の5,080億円、旅客数は前年同1.2%増の773万3,000人。供給を示す座席キロは同6.2%増加し、需要を示す旅客キロも同5.8%増となった。利用率は同0.3ポイント減の76.8%だった。

国内線:ラグビーワールドカップ効果で収入増、ビジネス需要も好調に推移

国内線旅客は好調なビジネス需要に加え、ラグビーワールドカップ開催などによる訪日旅客の国内移動需要を取り込むとともに、需要に応じて各種割引運賃を柔軟に設定したことにより、旅客数・収入ともに前年同期を上回った。路線ネットワークでは、5月から成田/中部線、10月から中部/熊本線を増便するなど、路線便数の最適化や投入機種の柔軟な調整を推進した。

国内線の旅客収入は同3.5%増の5535億円、旅客数は同2.9%増の3472万4000人。供給を示す座席キロは同1.9%増に対し、需要を示す旅客キロは同3.1%増となったことから、利用率は0.8ポイント増の71.1%となった。

LCC:統合完了も日韓関係悪化や香港デモの影響で減収

LCCでは、2019年10月にPeach・Aviationとバニラ・エアとの事業統合が完了。統合による機体改修や運航乗務員の訓練などにより一時的に運航便数が減少したほか、日韓関係悪化や香港での市民デモに伴う需要の落ち込みもあり、旅客数・収入ともに前年同期を下回る結果となった。路線ネットワークでは、バニラ・エアからPeach・Aviationへの路線移管を進め、10月から成田/奄美線、成田/台北(桃園)線、11月から福岡/台北(桃園)線、12月から成田/石垣線、関西/奄美線をPeach・Aviationとして運航を開始した。

LCCの旅客収入は同7.1%減の643億円、旅客数は同5.3%減の577万6000人。供給を示す座席キロは同5.2%減、需要を示す旅客キロは同5.9%減で、利用率は0.7ポイント減の85.3%だった。

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