ワクチン接種後の行動、GoTo利用者はリベンジ消費に積極的、今後GoTo施策がなくても

経済産業研究所(RIETI)所長で一橋大学経済研究所所長の森川正之氏が「新型コロナ、ワクチン接種と消費行動」をまとめた。レポートによると、新型コロナが終息した後に消費支出を増やす傾向を持つ人はかなり多く、自身のワクチン接種に伴うリベンジ消費およびペントアップ消費は、余暇・娯楽サービスや外食への支出を増やす可能性はある。一方で、感染症自体が終息しない限り、マクロ的なインパクトは限られる可能性があるとの分析が示された。

調査は森川氏が調査票を作成し、RIETIが楽天インサイトに委託して2021年7月に実施。8909人から回答を得た。

ワクチン接種で消費増加は14%

まず、新型コロナの消費支出への影響を聞いたところ、「減少」17.7%、「不変」78.4%、「増加」3.9%だった。世帯年収1500~1999万円の「減少」が31.2%などと、高所得層ほど減少した割合が高い。一方、新型コロナ終息後の消費行動については、「増加」17.7%、「不変」71.8%、「減少」10.4%。新型コロナの影響で現在の消費を減少させた高所得層ほど、終息後は消費行動を活発化させる傾向がある。

「ワクチン接種で消費行動に変化があったか/まだ接種していないが今後行いたい人の消費行動の見込みはどうか」という設問では、「減少・減少見込み」が10.7%、「不変・不変見込み」が75.5%、「増加・増加見込み」が13.7%だった。

新型コロナ終息後の消費行動の見込みと比べると、「増加」が4ポイント低いことから、森川氏は「新型コロナ下で積み上がった強制貯蓄は感染症が終息すればかなりペントアップ需要につながるとみられるものの、ワクチン接種を行うことの効果はさほど大きくない可能性を示唆している」と分析している。

GoTo利用者に強い消費意欲

個人特性別にみると、女性・高所得層で「増加・増加見込み」という回答がやや多いが、年齢や主観的な感染リスクや重症化リスクはあまり関係ないようだ。もっとも、2020年にGoToトラベルを利用した人のワクチン接種後の消費支出の「増加・増加見込み」は18.8%と、GoToトラベル非利用者の11.1%に比べ、比較的多い。

GoToイート利用者も同様で、旅行、外食などへの消費に積極的な人は、自身がワクチン接種を行うことで消費を活発化させることを示している。ただ、森下氏は、「逆に今後、GoToキャンペーンのような政策がなくても、これらの人はリベンジ消費を積極的に行う傾向がある」ともみている。

発表資料より

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