JTB、海外ツアー販売を本格再開、商材幅も大きく拡大、タビナカ充実の「航空券 + ホテル」から、添乗員付きサポート充実プランまで

JTBが海外旅行商品の販売を3年ぶりに本格化する。特に、個人型商品のダイナミックパッケージ「ルックJTBMySTYLE」を大幅に強化。2023年6月以降出発の販売を開始した。 新型コロナウイルスの「5類」への引き下げ、旺盛なインバウンド需要に伴う航空座席量の回復を機に、海外旅行プロモーションを加速する方針だ。

ダイナミックパッケージに注力

JTBは、旅行者のオンラインシフト、旅行ニーズの多様化、パーソナライズ化が進んだことから、従来の紙パンフレット展開だけではなく、インターネット販売によってホテルと航空便を組み合わせ、原価に沿った旅行代金を提示する「ルックJTBMySTYLE」を主軸に商品展開する。好きなホテルと航空便を組み合わせる商品だが、商材幅を大きく拡大する。背景には、仕入れ・流通環境のグローバル化、ダイナミックプライシング化が加速していることもある。

「ルックJTBMySTYLE」は、単なる「航空券+ホテル」ツアーではなく、現地滞在中の過ごし方を旅行者の目的や参加形態ごとにのサービスパッケージとの組み合わせを提案するのが特徴だ。従来の選択型のオプショナルツアーとは一線を画し、「誰と行く」「子どもの年齢」などに応じた複数プランを通して、旅先での楽しみ方を補完する。JTB代表取締役専務執行役員ツーリズム事業本部長の花坂隆之氏は、「安定的な仕入れが難しくなっているなか、マーケットに柔軟に対応するサービスパッケージを通じてお客さまのニーズに応えていきたい」と話す。

JTB代表取締役専務執行役員ツーリズム事業本部長の花坂隆之氏

一方で、シニア層を中心としたリピーター向けには、見慣れたパンフレットによる代金固定型の商品も設定。約3年ぶりの海外旅行に不安を感じる場面を配慮し、旅行前から帰国後までの一気通貫のサポート体制を整えた添乗員同行商品を強化する。少人数でのツアー設定や、ワンランク上の特別企画も展開。SDGsを意識した商品として、ガソリン車を使用せず列車船を利用するスイスの旅、公共交通機関を中心としたパリの街歩きなども提案する。

造成部門については、従来、店頭・ウェブの「ルックJTB」、通販の「旅物語」を新設のエスコート商品販売事業部に一本化。富裕層向けの「夢の休日」、「JTBグランドツアー」などはロイヤルロード事業部が担当する。

海外旅行の機運醸成へ、プロモーション加速

もっとも、新型コロナの感染状況、物価高、為替変動といった海外旅行マーケットを取り巻く懸念材料は少なくない。燃油サーチャージの上昇、ロシア・ウクライナ情勢により、航空機の運休・迂回による原価上昇、欧州全域に対する心理的影響も続いている。

海外旅行機運を醸成するため、JTBは2023年2月4日から「いよいよ海外旅行はじまる」と題したテレビCMを放映。連動してリアルでの海外旅行説明会も全国各地で開催するほか、若年層を開拓するため、海外ツアー申込限定でパスポート取得費用を支援するキャンペーンも実施する予定だ。

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