JTB連結決算、大幅な減収減益も黒字確保、コロナ影響で売上1000億円減少 -2019年度

JTBが発表した2019年度(2019年4月~2020年3月)連結決算は、売上高が前年比5.8%減の1兆2886億円、営業利益が78.0%減の14億円、経常利益が15.5%減の25億円で、当期純利益は16億円(前期:151億円の損失)となった。

10連休となったゴールデンウィーク、ラグビーワールドカップ日本大会などの大型イベント、法人需要などで取り扱いは好調に推移したが、第4四半期に襲った新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、大幅な減収減益となった。世界的な感染拡大の発生以降、海外旅行はツアー全方面で催行を中止。国内旅行は外出自粛やイベント開催延期の影響を大きく受けた。コロナの影響で、売上高は約1000億円、営業利益は約150億円が減少したという。

一方で、この苦境の中でも、構造改革で進めていたコスト改善が功を奏し、営業利益と経常利益、当期純利益のいずれも黒字確保を実現した。

2020年度の現況

緊急事態宣言により、JTBでは国内全店舗は一部店舗での電話対応を除き、5月31日まで臨時休業(法人営業支店除く)。また、全方面で催行中止とした海外ツアーは、ハワイ・ミクロネシア方面は7月15日出発分まで、その他方面も7月31日出発分までを中止としている。

こうした状況下で第1四半期(4月~6月)の販売人員は、国内ツアーのエースJTBで前年比2.0%、海外ツアーのルックJTBでは前年比ゼロとなる見通しだ。

緊急対策として、一時的な緊急コスト削減と、中長期視点に立った構造課題への抜本的改革を早期に実行すると発表。これらを経営の最優先課題と位置付け、短期集中的に取り組む方針だ。

なお、2020年度の通期見通しは未定。新型コロナウイルスに起因する影響について、従来の基準で推し量ることが極めて困難としている。

2019年度連結決算・事業別の概況

個人事業:売上高 5930億円(前年 6514億円)、営業利益 1億円(前年 57億円)

ゴールデンウィークの10連休効果や海外旅行の主力であるハワイや欧州方面が堅調に推移したが、台風や新型コロナウイルスの影響で減収減益。販売改革では、店舗の来店予約制や担当者制を強化し、高単価の購入客の総数が増加したが、事業全体の購入客数や売上高は伸び悩んだ。ウェブ販売ではアゴタとの提携による「るるぶトラベル」「JAPANiCAN.com」のリニューアルを実施。サイトの諸課題改善を進め、販売拡大を進めていく。

法人事業:売上高 4023億円(前年 4099億円)、営業利益 97億円(前年 100億円)

コロナ以前の企業需要や大型イベントの取扱、ソリューション営業の拡大で、売上高、営業利益とも前年並みを確保。スポーツビジネスではラグビーワールドカップ日本大会で、観戦パッケージ商品やスポーツホスピタリティ販売が順調に推移した。今後は、コロナによる市場変化とニーズを備えたソリューションを更に強化するとともに、1年後に延期となった東京五輪に向け、公式観戦ツアーなどの準備を進めていく。

グローバル事業:売上高 2154億円(前年 2281億円)、営業損失 31億円(前年 30億円の損失)

当期はグローバルDMC事業とグローバルビジネスソリューション(GBS)事業を重点戦略ドメインとして推進。グローバルDMC事業ではシートインコーチ事業で欧州12か国での路線ルート運行を開始したほか、欧州インバウンド事業で大型国際イベントに取り組んだ。GBS事業ではラグビーワールドカップ日本大会など、ミーティング&イベント(M&E)部門での大型スポーツイベントの取扱が好調。アジア太平洋地域では、M&Eクラウドソーシング企業と提携し、大手グローバル企業への営業強化を開始した。

2019年度・部門別売上実績

国内旅行:売上高 4545億500万円(前年比10.2%減)

  • エース(自社ツアーブランド):前年比14.0%減、第4四半期は40.1%減
  • 団体:前年比4.2%減、第4四半期は37.3%減

海外旅行:売上高 4401億1800万円(前年比 6.2%減)

  • ルック(自社ツアーブランド):前年比3.4%減、第4四半期は18.4%減
  • 団体:前年9.5%減、第4四半期は32.1%減

訪日旅行:売上高 683億9400万円(前年日 11.5%増)

  • 大型イベントの取扱により増加、第4四半期は41.1%減

グローバル旅行(日本以外の第三国間の旅行事業):売上高 1105億7600万円(前年比 4.2%減)

  • 為替による減少

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