日本旅行業協会、宿泊施設の情報を一元化するプラットフォームの登録受付開始、7月下旬に稼働へ、まずは災害情報から

日本旅行業協会(JATA)はこのほど、旅行会社と宿泊事業者向けに「観光産業共通プラットフォーム」の登録受付を開始した。宿泊施設が基本情報や営業情報を登録し、旅行会社が各情報を検索・取得できるもの。宿泊事業者と旅行会社との間で非効率になっている情報共有を一元化して生産性を向上させ、人手不足をはじめとした課題解決の一助になる仕組みをつくるねらいだ。

プラットフォームで提供する機能は、「宿泊施設基本情報」「営業情報通達」「災害情報集約」の3種類。現在は、プラットフォームへの情報登録を進めているところで、稼働開始は2023年7月下旬を予定している。まずは、災害情報共有機能からスタートする計画だ。約1万2000の宿泊施設の参加を想定しており、順次拡大する。

具体的には、宿泊施設に基本情報、営業情報の詳細を登録してもらい、共通プラットフォームで閲覧できるようにする。背景には、旅行会社が企画書や商品を作成するたびに、電話やFAX、メールで宿泊施設に確認するなど双方に手間がかかっていることがある。両者の間で各種情報を部署や担当レベルで個別に伝達をしており、そのスピードや業務量が課題となっていた。

営業情報に変更があった場合も宿泊施設が共通プラットフォームに入力することで、旅行会社に合わせた個別対応を削減する。宿泊施設が入力した後は、共通プラットフォームから旅行会社各社へメッセージを発信。また、イベントやサービスなど、宿泊施設が旅行会社に知ってもらいたい情報も営業情報として一斉に通達できるようにする。

災害情報集約機能については、災害時に各宿泊施設が被害情報を入力。旅行会社は共通プラットフォームを通じ、各宿泊施設の被害の有無を確認する。回答がない施設へはJATAから連絡、確認依頼をおこなう。現状は、電話をかけてもつながらないなど正しい情報が入手できなかったり、旅行者の安否確認に手間と時間がかかったりといった課題がある。

また、実効ある運営のため、JATA内に「観光産業共通プラットフォーム運営事務局(仮)」を設置。災害時の該当エリア宿泊施設への情報登録依頼発報、登録確認、未登録者フォロー、宿泊施設へ定期的な情報確認・登録依頼、システム操作方法支援、問い合わせ対応などを実施する。

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