プリンセス・クルーズ、日本発着クルーズを2隻体制に拡大、2027年は最大24万人規模の乗客受入れへ

プリンセス・クルーズは、2027年の日本発着クルーズで運航する客船を2隻に拡大する。従来のダイヤモンド・プリンセス(11.5万トン、乗客定員2706人)に加え、同型の姉妹船であるサファイア・プリンセス(11.5万トン、2670人)を投入。2027年3月~11月まで、計41本を運航し、2027年シーズンで最大24万人規模の乗客をうけいれる。

この発表にあわせ、来日した同社社長のガス・アントーチャ氏は、同社が日本発着クルーズを全シーズンで運航した最初の外国船社であることを説明。2013年に7.7万トンのサン・プリンセスを就航し、翌年には大型客船ダイヤモンド・プリンセスを投入した。アントーチャ氏は「かつてない規模で展開することを誇りに思う」と述べ、「国内外の多くの旅行者に、日本に触れていただく機会を提供し、日本の魅力を世界に伝える一翼を担うことに、深い喜びを感じている」と自信を示した。

日本での販売やマーケティングを担う、カーニバル・ジャパン代表取締役社長の堀川悟氏は、同社の日本発着クルーズでは日本人のみならず、インバウンドも年々、増加していることを説明。2隻目の投入は「需要の高まりに応えるため」と話した。2隻体制となることで、より多様な航路を提供できることにも言及し、「寄港地の経済活性化や観光振興にも、さらに貢献できる」と強調した。

2027年の日本発着クルーズでは、ダイヤモンド・プリンセスは3月~11月に横浜発着の全23クルーズを、サファイア・プリンセスは東京発着で3月~9月に全18クルーズを運航。10日間~12日間程度のクルーズを中心に、8日間や9日間のショートクルーズ、15日間のロングクルーズなども設定した。特にサファイア・プリンセスでは、8日間のショートクルーズで、週末(土曜日)出発のクルーズを3出発日設定。週末出発の場合、平日5日間の休暇取得で旅行できる。

カーニバル・ジャパンのセールス・ディレクターである船木健氏は、クルーズ料金の例として、週末発着の8日間クルーズの場合、2名1室利用で1人あたり10万3000円~と紹介(早期割引も適用)。そのうえで「ほとんどの日本人が、クルーズは数百万円が必要な高額な旅行で、自分の旅行ではないと感じている人が多い」と話し、「プリンセス・クルーズは、手頃な価格で価格以上の価値があるのが強み。2隻体制で運航本数を増やすことで、日本のクルーズ市場の拡大につながると思う」と意気込みを示した。2027年の日本発着クルーズでは、早期予約割引で特別プランも提供する。

発表会では、来賓の国土交通省港湾局長の阿部賢氏や日本旅行業協会(JATA)会長の髙橋広行氏が、スピーチをした。阿部氏は、2024年の日本人のクルーズ人口が144万人でコロナ前の約6割の回復に対し、外国船社による客船の寄港回数は1900回超とコロナ前とほぼ同水準となり、寄港した港湾数は97港とコロナ前の1.5倍に拡大したことを説明。「クルーズはまだ知られていない日本の魅力ある観光地へインバウンド旅客を誘致し、魅力を発信する重要なパートナーと考えている」と述べ、さらなる旅客誘致や寄港地拡大に期待を示した。

2つの船に高評価の寿司レストラン「マコト・オーシャン」が登場

このほか、当日はダイヤモンド・プリンセスとサファイア・プリンセスに2025年秋から、寿司レストラン「マコト・オーシャン」がオープンすることも発表。名古屋出身の寿司職人である大桑誠氏が米国や南米で展開する寿司レストランで、現地で高い評価を得ている。来日した大桑氏は、同レストランが2隻の船で展開することに「大きな意味を持っている」とし、「日本の文化や伝統、精神を世界に伝える場所。日本で建造された客船で提供できることをうれしく思う」と話した。

昨年に就航した新造船「サン・プリンセス」にもスペシャリティ・レストランを展開しており、高評価を得ている。今秋にデビューする新造船「スター・プリンセス」でも展開する予定。

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