米国、政府機関の閉鎖なら、航空便に影響か、業界団体「フライト遅延につながる」

写真:ロイター通信

米国では、民主党と共和党が政府予算法案で対立しており、合意に至らない場合、2025年10月1日から連邦政府機関の一部閉鎖が始まる可能性がある。これを受けて、米国の航空業界団体「エアラインズ・フォー・アメリカ」は、「航空管制官や保安官が無給で勤務を強いられ、その他の業務も停止するため、米国の航空業界に負担がかかり、フライトの遅延につながる可能性がある」と警告した。

空港の検問所に勤務する航空管制官と、運輸保安局(TSA)の職員約5万人は、勤務を継続する必要があるものの、無給での勤務になる可能性がある。

2019年には35日間閉鎖された。その期間、職員の給与未払いによって管制官とTSA職員の欠勤が増加し、一部の空港では検査場の待ち時間が長くなった。そのため、連邦航空局(FAA)はニューヨークの航空交通量を調整せざるを得えない事態となった。

各航空団体は、閉鎖されれば、FAAは「航空管制官と技術者の採用と訓練の停止、安全対策の実施の遅延、重要な航空交通機器の保守・修理作業の延期、航空会社のパイロットチェックライドの停止、航空機の耐空検査の遅延、自主的な安全報告の分析の延期、近代化プログラムの作業の停止」を余儀なくされると警告している。

また、大規模な閉鎖が発生すれば、FAAによるボーイング737MAX7の認証取得が遅れ、125億ドル(約1.85兆円)規模の航空管制システム改革も遅れる可能性がある。

さらに、全米航空管制官協会(NACAA)は、オクラホマシティのFAAアカデミーで訓練を受けている数百人の航空管制官が一時帰休となる可能性もあると指摘している。

FAAは現在でも、管制官の人数の水準が目標から下回っており、管制官の慢性的な不足によって、フライトに遅延が発生。多くの管制官が強制的な残業や週6日勤務を余儀なくされている。

※ドル円換算は1ドル148円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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