中国人の海外旅行が新たな局面に、予約の間際化や高まるSNSの重要性、日本の人気は急落、旅行先ランキングで2位から7位に【外電】

チャイナ・トレーディング・デスク(China Trading Desk)が発表した最新の調査によると、日本は中国人旅行者の好む旅行先ランキングで2位から7位へと急落した。

2025年の中国人の国外への旅行者数は、ピークだった2019年の1億5500万人を上回る見込みで、2028年には2億人を超えると予測されている。ランキングの急落は、いかに中国の旅行需要が政治的要因に大きく左右される市場であるかを示している。

高市首相の台湾有事をめぐる発言を受けて、中国政府が2025年11月14日に自国民に対して日本への渡航を控えるよう呼びかけた。このメッセージは、中国人の旅行計画に大きな影響を与え、旅行会社は団体旅行を速やかに中止し、航空会社は輸送能力を削減。2025年11月の中国本土からの訪日外国人旅行者数は56万2600人で、前年比3%増にとどまった。前年比23%増を記録した10月の71万5700人から大幅に減少した。

この問題以前、中国人旅行者は日本のインバウンド市場の中心的な存在だった。2025年の最初の10か月間で、中国本土からの旅行者は前年比40%増の800万人を超え、中国は日本にとって最も強力なインバウンド市場に復活した。

中国人旅行者は新たな局面へ

中国からの日本への旅行者が減る一方で、中国人の国外への旅行は概ね好調を維持している。チャイナ・トレーディング・デスクの調査によると、パンデミック後の回復期から、より安定した定常的な段階へと移行しているという。

しかし、彼らの行動には変化が見られる。予約の間際化が当たり前となり、旅行者の77%が出発の1ヶ月以内に予約を入れている。ほとんどの旅行者は今後1年間で1~2回の旅行しか計画していないため、旅行先や旅行会社の競争は激化している。

中国市場はデジタルファーストの傾向もさらに強まっている。旅行アプリや、小紅書(RED)、抖音(Douyin)といった中国のSNSは、旅行先の候補リスト作成で中心的な役割を果たしている。

調査結果によると、高級宿泊施設の人気は引き続き安定しているという。約68%が4つ星ホテル以上を好み、半数以上が1回の旅行につき少なくとも2万5000人民元(約52万5000円)の支出を計画している。一方、初めて国外へ旅行をする旅行者の市場シェアは前四半期の39%から36%に減少した。

ショッピングは依然として旅行の大きな部分を占めているものの、必ずしも買う物を決めているわけではない。約64%が旅行中にショッピングを計画しているが、4分の1以上がどこで何を買うかまだ決めていない。

また、旅行者の約42%が海外でAlipayやWeChat Payなどのデジタルウォレットを利用する予定で、旅行先ではスムーズでモバイルファーストな決済手段の必要性が改めて明らかになった。

中国人旅行者の4つのペルソナ

チャイナ・トレーディング・デスクは、中国人の海外旅行者を以下の4つのペルソナに分類している。

  1. モバイルファーストで動画中心のZ世代
  2. 家族連れを中心とした、価値と効率を重視して頻繁に旅行する旅行者
  3. 利便性と信頼できるブランドで贅沢を求める富裕層
  4. 明確さとサポートを重視する慎重な初心者

各グループは、異なるきっかけに反応する。直前のお得な情報は、若くて衝動的な旅行者を惹きつける。一方で、「何が期待できるか」などの詳しい案内と中国語でのサポートは、初心者を安心させる。

※ドル円換算は1ドル158円でトラベルボイスが算出

※人民元円換算は1人民元21円でトラベルボイスが算出

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」 から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事: Chinese Outbound Travel is Back, Just Not to Japan

著者:Peden Doma Bhutia氏


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