グーグルの旅行業界担当トップが語った、「完璧なAI戦略を待つべきではない」、観光・旅行事業者が知っておきたい3つのポイント【外電】

グーグル(Google)によると、AIの進化によって、オンライン上のユーザー行動がキーワード検索から写真やレビュー(クチコミ)の活用に至るまで、旅行者が選択肢を見つける方法が大きく変化している。一方で、予約段階では従来の「検索」が依然として重要な役割を果たしている。

旅行者が旅行計画をおこなう際、対話型AIを利用するケースが増えているが、いざ予約が近づくと、従来のGoogle検索や信頼できるウェブサイトを頼る。

Googleのトラベル部門インダストリー・ヘッドのジェイ・ショーハン氏は、米観光産業ニュース「Skift(スキフト)」のイベントで、「私は大規模言語モデル(LLM)でリサーチし、その後、通常のGoogle検索に戻る。その理由のひとつはAIが提示した内容を検証するため、もうひとつは実際に購入する準備ができた時だ」と語る。

また、ショーハン氏は旅行・観光事業者へのマーケティングのアドバイスとして、「一般的な検索キーワードに固執するのをやめて、AIが画像、レビュー、ユーザーの意図などのコンテンツをどのように解釈するかに注力すべきだ」と話す。

旅行購入までのプロセスに決定的な分断

対話型AIを利用する人の94%は引き続きGoogle検索も併用している。

これは、旅行ファネル(購入までのプロセス)における決定的な分断を示している。つまり、旅行者は、旅行計画の複雑な段階を乗り切るために対話型AIを使い、標準的なキーワード検索の2~3倍も長い多層的な行程について質問している。

しかし、安心感や最終的な確認を得るために、ショーハン氏のように、依然として見慣れた「青いリンク(検索結果)」を探し求めるユーザーも多い。

もちろん、AIの開発スピードは速いため、この状況はあっという間に変わる可能性がある。そのなかで、ショーハン氏は、Googleが今後の状況の変化をどのように見ているのか、そして旅行・観光事業者が知っておくべきことについて概説した。

1. 一般的なキーワードの衰退

Googleでは、「オールインクルーシブ 休暇」など広範な用語の検索数が減少する一方で、特定のホテル名での検索は2桁台の大幅な増加を見せているという。

ショーハン氏は、これをリサーチの仕方の変化だと見ている。旅行者は、Google検索を利用する前に多くの調べ終えたうえで、信頼できるサイトへ直接アクセスするようになっている。

2. AIが写真や動画を「読む」時代に

ショーハン氏は、AIが視覚的にアメニティを特定する能力が高まっていることを指摘した。

たとえば、ホテルの説明文に「swim-up bar(プール内のバー)」という言葉がなくても、写真や動画に写っていれば、AIがそれを認識し、ユーザーの質問に対して該当物件を回答として表示できるようになっている。

3. 構造化データと非構造化データの融合

格付けなど星の評価のような「構造化データ」は機械にとって依然として不可欠だ。

一方で、ショーハン氏はレビューなどの「非構造化データ」が、ニュアンスを伝える上でますます重要になっていると指摘した。例えば、AIは宿泊客のフィードバックからその感情を推察し、旅行者の情緒的な意図にマッチさせることができるという。

旅行者の「無限の」好奇心

Googleが1年に処理する検索のうち、約15%がこれまでに一度もない新しいもの。ショーハン氏は「世界中のネット情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする」というGoogleの使命は、AI生成結果が主流になっても変わらないと話した。

2026年に向けた旅行・観光事業者への彼のアドバイスは、非常に現実的。変化し続ける状況の中で、「完璧なAI戦略を待つべきではない」というものだ。

ショーハン氏は最後に、「完璧さによって、良い取り組みが妨げられないように。まずは立ち上げて、改善を繰り返すことが重要」と話した。

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」 から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事: Google’s Advice for Travel Brands: Forget Generic Keywords, AI Can Read Your Photos

著者:Adriana Lee氏


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