為替変動とAIが旅行先選びに影響、円安10%でインバウンド客数2.7%増の傾向 ―マスターカード分析

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Mastercard Economics Institute(MEI)は、最新レポート「The New Travel Equation: Macro, Machines, Motivation」を発表した。レポートによると、アジア太平洋地域において、テクノロジーおよびAI産業の急拡大を背景に、ビジネス出張需要が顕著に伸びていることが明らかになった。また、AIの普及や為替変動が旅行者の行動に与える影響についても分析している。

MEIは、ビジネス渡航とレジャー渡航の構成比の変化に着目した指標「ビジネスとレジャーの動向指数」を開発した。これによると、世界首位はグローバルなビジネスハブの地位強化を進めるUAEのアブダビだった。また、需要の伸びが顕著な世界の上位10都市のうち、5都市をアジア太平洋地域の都市が占めた。特にインドの躍進が目覚ましく、ハイデラバード(3位)、ベンガルール(4位)、ニューデリー(6位)、ムンバイ(7位)の4都市がランクインし、同国のテクノロジー産業の急成長を裏付ける結果となった。韓国のソウルは8位だった。

AIが旅行先の選択や消費行動に影響 

AIが旅行者の行動に与える影響についての分析もおこなっている。

米国のカード会員データにおいて、AIプラットフォームの有料契約者は、非契約者と比べて宿泊費に充てる支出割合が約2倍に達した。そのほかの旅行関連カテゴリーにおいても高い支出割合が見られた。

さらに、AIは旅行先の選択肢を広げ、これまでは十分に知られていなかった代替旅行先への関心を高めている可能性が示唆された。例えば、ベルリンよりも手頃で混雑の少ない代替旅行先とされるドイツのライプツィヒにおける米国人旅行者の支出の31%がAI有料契約者によるものだった。

旅行先を選ぶ際、依然として「お得感」は重要な判断材料となっている。MEIが過去30年にわたる国際観光データを分析したところ、旅行先の通貨価値が10%下落した場合、海外からの旅行者数は平均2.4%増加する傾向が確認された。ただし、この為替変動の影響は市場によって大きく異なる。

マレーシアでは通貨が10%下落した場合、旅行者数は世界平均の3倍を超える8%増が見込まれる。日本では同条件で2.7%、台湾では3.3%の増加が見込まれており、足元の不安定な為替動向がアジア太平洋地域におけるインバウンド需要の行方を左右する要因になる可能性があると指摘している。

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