JATA菊間会長、2014年活動方針を発表、国内・海外ともに若者に訴求

日本旅行業協会(JATA)は新年の記者会見で2014年の活動方針などを発表した。会見を行った会長の菊間潤吾氏は、2013年を「基盤整理ができた年」と評価。2014年はツーウェイツーリズムのさらなる促進、国内宿泊旅行の増加への施策、また、中国・韓国からの訪日客の停滞の「流れを変えたい」として精力的な活動を行っていく方針を明らかにした。


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▼2013年は「明るい光が差し込んだ年」

菊間氏は、2013年は、訪日旅行者1000万人を達成、東京オリンピック招致の成功、和食が世界遺産に登録されるなど、旅行業界にとって話題が豊富だったとして「明るい光が差し込んだ年」と評価。「2013年は基盤整理をした年」として以下の実績を上げた。

また、旅行業界にとって影響が大きなチャーターの規制緩和、燃油サーチャージの航空券運賃への1本化への提言など「将来へ向けての舞台が作ることができた。」としている。

日本人の海外旅行については、一昨年記録した出国者数の過去最高などを受けて、さらなる伸びを期待したものの、ボリュームゾーンの中国・韓国の政治的な影響を受けて伸び悩み。一方、ヨーロッパなどロングが強く、年末年始の旅行者の動きが活発だったので大きな減少とはならず、需要は強かったとの見方だ。


▼2014年の取組み

【訪日旅行】 訪日旅行の質の向上目指す

2013年は訪日旅行者が目標値の1000万人を突破したものの、菊間氏は「官主導の1000万人という感覚」。ビザ緩和などによって、訪日旅行者が増えているものの「真の魅力を伝えきれていないのかもしれない」として、次の目標値である2000万人に向けては「旅行会社の出番」と意気込んだ。

JATAは、ツアーオペレーター品質認証制度で訪日旅行の質の向上を目指しているが、現在加盟会社が33社。2014年は、これを100社まで伸ばしたい考えで、菊間氏は「海外に向けてアピールしプレゼンスを高めていきたい。」とコメントした。また、JATA会員各社が訪日旅行を取り扱うような普及策としてセミナーなども実施するという。


【海外旅行】 若者の海外旅行促進へ

2014年は海外渡航自由化50周年の年。JATAとしては、記念となる今年はこれまでの50年を振り返り、海外旅行が日本の国際化にどんな役割をしてきたかを伝えるという。菊間氏は「海外旅行の意義を浸透させたい」と語り、こうした活動で若者の海外旅行を促進したい考えだ。

また、同氏は2014年の日本人の渡航者数は「1800万人台になることは間違いない」という見解で、その理由としてLCCの活発化や需要の堅調さをあげた。


【国内旅行】 若者向け「日本を遊びつくせ」キャンペーン

昨年まで、JATAは国内宿泊旅行の需要喚起策として「もう一旅、もう一泊」を実施してきたが、2014年は若者をターゲットにした「日本を遊びつくせ」というテーマでキャンペーンを展開する。「まだあなたの知らない日本がある」として、日本の持っている文化に向き合い、再認識してもらうことで宿泊旅行の促進を図る。告知はYouTubeやFacebookなどを活用するという。


【諸課題への取組み】

  • 燃油サーチャージ

JATAとしては、航空会社に対して一貫として航空券への燃油サーチャージの1本化を求めてきた。昨年末提案した要望書に対して、観光庁からの回答を得ており、関係者実務レベルでの協議の場を設定、菊間氏は「土俵が出来上がった」とコメント。消費者にとって、わかりやすい料金提示ができるように取り組んでいく。

  • 安心安全の旅

「観光危機管理における組織的マンジメントのあり方」を策定、提言として2013年末に観光庁に提出した。また、「旅行安全マネジメント」についての取組みを強化する。菊間氏は「今年は、これを会員各社に周知徹底していきたい」としている。

  • ツーリズムEXPOジャパン

2014年9月に開催が予定されており、旅の総合イベントとして、世界で2番目に大きなイベントになる。菊間氏は「日本を挙げての取組みになる」として初回となる今年の重要性を指摘。昨年のUNWTO(国連世界観光機構)との包括的パートナーシップ提携で、世界への情報発信が可能となっており、観光会議などについても「今までにない世界規模の観光会議」を目指す。

  • 旅行業法改正

旅行業法改正については、観光庁の観光産業研究会で審議が続いている。菊間氏は、キャンセルチャージが30日前からという日本の旅行業法がグローバルスタンダードと「かけ離れている」と指摘。海外の観光業者が日本人旅行者を迎えたいものの、この点で商品提供ができないというケースもでており、国際的な関心が高まっている。「ギャップを解消する業法改正が重要」として、JATAとしても関与を強めていく姿勢だ。

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